ハーメルン
ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版
第十二話「夢原のぞみの心の闇とダイ・アナザー・デイでの温度差」

――日独は結局、ウィッチ世界の軍縮を進めようとして、現地の国際社会そのものにNOを突きつけられるという結果に終わったが、副次効果として、軍ウィッチ組織の軍閥化は阻止されたが、軍ウィッチのなり手が減った事で兵科の近い招来の消滅の道筋が立ち、一部の聡明な者達は資格の習得に走った。扶桑はウィッチの輩出人数は多いが、軍志願数が減ったため、兵科を20年と維持できる見通しが立たなくなったのだ。これは日本側にとっては『志願年齢を高齢化させただけなのに』という認識だが、ウィッチは一般的に10代半ばほどが絶頂期に当たるため、日本側に猛抗議が行く始末になった。結局、妥協的にRウィッチ化を前提にしての福利厚生を構築しなければならないため、この数年間の志願数の減少は兵科の命運を決めることとなった。Gウィッチは強力であるが、数は限られる上、一部隊での集中運用が方針であるので、異動もさせられない。部隊間の平均練度に差がつくことに困った軍部は、64に有望なウィッチを出向させ、そこで鍛え上げた後で原隊に戻すことで前線の要望との兼ね合いを取る事にした。この任務に充てられたのが、64Fの第二中隊の『維新隊』であった。適度なスクランブル任務をこなしつつ、高度な教導が受けられるという事で、維新隊は急速に陣容を整えつつあり、激戦に次ぐ激戦に酷使される新選組より部内での人気は実は上であった。広報用部隊の側面もあり、ストライカーと装備は当時の既成品の最新型で占められている。そこも人気の理由であり、出向という形で夏木りんと氷川いおなは属する事になった。これは新選組がより激戦区に送られる事になり、もはや悠長に新人(プリキュアとは言え)を育成する暇が新選組では取れなくなったからで、孝美の発案で、実戦での飛行経験が少なめ(いおなはりんよりは経験が多いが、空中機動で新選組に求められる水準には届いていない)の二人のプリキュアは孝美が中隊長に就任した維新隊に孝美の護衛を兼ねて、出向となった。


――新選組の隊舎――

「黒江さん、のぞみの面倒はあたしが全面的に?」

「いや、俺も手伝うよ。お前にはクロやイリヤの面倒もあるしな。孝美の発案なんだよ、今回の人事」

「あのガキが?」

「そうだ。あいつがプロパガンダ目的もあって、維新隊の中隊長を拝命したから、維新隊の方が比較的に時間が取れるとか言ってな」

孝美は当時、年齢は17才。シャーリーと同年輩だが、軍歴は比較的浅く、13才当時にリバウ攻防戦に動員されたのが初陣である。Gウィッチかつ聖闘士だが、立場的には若輩者扱いである。しかしながら、通常ウィッチとしては『ベテラン』と呼ばれる年齢であるため、同位体の事もあり、維新隊の中隊長を拝命したわけだ。シャーリーから『ガキ』扱いされているのは、シャーリーにはプリキュアとしての戦歴と紅月カレンとしての戦歴が加味されているためである。

「少佐の部下らしいな」

「坂本も元々、新人を短期間に大規模で投入することを反対してたからな。孝美もその影響が大だ。だが、大戦になると、急速に交代要員を供給せにゃならん。その兼ね合いもある」

坂本や孝美は充分に育成されていない新人の投入には反対というのが公の見解である。しかし、『前時代的な名人教育でしかない』と日本から疎んじられているのも事実であるので、孝美に中隊長経験を積ませるという事で、維新隊を束ねさすのである。武子の維新隊への人材供給の方針とも合致したためもあるが。

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