慌てて飛び出たら襲われたんです 無限城在住だった教祖
しのぶ視点
「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「ぬああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
渾身の突きが今再び童磨を森の奥へと吹き飛ばす。
これで5度目だ。
「あぁ!もうなんだいなんだい?!全く酷いじゃないか?」
やはり突きでは効果が薄いか…。
とはいえだ。まだ取っておきが残っている。
恐らくこれはやつには解毒できないだろうけど…アイリスさんはいつも言っていた。常に備える者こそ勝つ。
その点で言えばこの鬼…童磨は厄介だ。
見に徹していて手札を見せない。
だが…そこが弱点にもなり得る。
「獣の呼吸!壱の牙!」
「花の呼吸!肆ノ型!」
「んん?」
「穿ち抜き!」
「紅花衣!」
伊之助くんとカナヲの型を難なく防ぐ童磨。
やはり上弦には少し届かないか。
「無駄無駄ぁ。さっき言っただろ?グルメ細胞だっけ?それを持ってるのは君たちだけじゃ無いんだぜ?」
そう言うと童磨は筋肉を一気に膨張させ、二人を投げ飛ばす。
「ごわっ!?」
「かはっ!?」
「二人とも!」
「よそ見はいけないなぁ」
呼吸を乱してないか気になったが今はそれどころじゃない。
「ちぃ!」
「おっと。危ない危ない」
早いな。
だけどなんだ?この違和感は。
確かにグルメ細胞を食べれば身体能力は上がる。
アイリスさんもそれを危惧して、最近になっても柱と一部の隊士にしか振る舞っていない。
入手経路もアイリスさんを除けば私とカナヲ位しか知らない筈だ。
鬼が手に入れられるとはにわかには信じられないが…。
「どうやって手に入れたのか不思議そうな顔してるね。なら教えてあげるよ!」
……ちっ。顔に出ていたのか。
だが教えてくれるなら好都合だ。
「一番最初に言ったように、俺は万世極楽教の教祖でさ。信者が色々と贈り物をしてくれるんだ」
嬉しそうな顔してるな。
本当にグルメ食材なのか?
「だから俺は聞いたんだ。グルメ食材持ってないかな?ってそしたらくれたんだよ。なんて言ったかな?えーと……」
穴があるとするならアイリスさんが眠っていた期間だ。
だけど誰があの子に近づこうと思うんだろう?
正直私でもたまに怖いと思うのに。
「そうそう!確かエスカルゴって奴だ!君たち凄いね。確かに美味しかったけどあんなの毎日食べてるの?カタツムリの親戚だって言うじゃないか」
……………は?
「いま…なんと?」
「だからエスカルゴだよ。君達も食べてるんでしょ?」
「ふ……ふふ……」
なんだそれは。
「うふふふ…はは」
なんだこの…なんだろう?
「あっははははは!はははは!アーハッハッハッハッ!!」
「ありゃりゃ。自分達しか持ってないのが分かったからって壊れちゃったのかな?」
「バカらしくて笑ったんですよマヌケ。上弦ってなんですか?無惨の笑いを取る為にいるんですか?」
「ん〜?どういう意味?」
「いくつか聞きたいことがあるんですけど…構いません?」
「そりゃ勿論。なに?」
「そのエスカルゴとやら…何回食べました?」
「え?一回だけど。まさか君たち何回も食べるの?」
バカだ。もう笑いすらおきない。
こいつは何を聞かされてたんだ?
「おいしのぶ。こいつバカだぜ」
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