準備
は? 今訓練って言ったの? そんなのできるの?
「シミュレーターとはどんなものですか?」
「VRゴーグルをつけて行います。IS適正値によって挙動も変わりますがあなたはEランクということなのでそのように設定してあります。もちろんシミュレーターなので適正のない一般男性でも行えます。有澤社長も仕事の合間によく行ってます」
シミュレーターか。実際に動かすわけではないが挙動の確認は重要だからな。
そして俺はシミュレータールームに案内された。指示された通りにゴーグルをつけた。いつでも来い!
「では始めます。まずはIS学園に入学できる最低レベルで行ってみましょう」
そこは荒野だった。岩が点在するそこに俺はいた。
「聞こえますか?まずはシステムを起動してください。基本的にはイメージで動きます。ただあなたの選んだ機体はタンクなので移動には少し慣れが必要かもしれません。まずは指定された場所まで移動してください」
イメージか。よし。システム起動!
『メインシステム。パイロットデータの認証を開始』
いきなり頭のなかに声が響いた。
「うわっ!なんだこれ!」
「落ち着いてください。適正の低い人のために設計されたサポートAIです。音声は後でも変更できます。指示したいことをイメージしてください。武器の出し入れやマップの表示。相手ステータスの表示などが出来ます」
なるほど。これは面白い。よし改めて、システム起動!
『メインシステム。通常モードを起動します』
システム起動よし。これで動くのかな? ふんっ、、、、、何か違和感が凄いな。足が動いてないのに進んでる。タンクだし当然か。よし到着だ。
「指定された場所まで移動できたようですね。では次は飛んでみましょう。ISのメリットの一つはPICを用いた飛行です。やってみてください」
こうか?ふんっ 飛べ。飛べっていってるんだよ。このポンコツがぁぁぁぁぁ!
ふわり
「飛んでるぅぅぅぅぅ。物理法則に反しておるぞ!」
「PICで慣性を操作できますからね。物理的でない動きも可能です。次は一旦着地して武装の展開を」
イメージ、イメージ、今俺の手には武器がある!具体的にはグレネードランチャー!
シュン
「出た。これでいいですか?」
「はい。上出来です。では目の前の的に打ってください」
こうか?カチッ
ドグォォォォォン!!
「なんじゃこの火力は!?的が吹き飛んでいる。さすがは我らが有澤グレネードだ」
「基本操作は覚えましたね?では実戦です。取り敢えず入学式までに代表候補生には勝てるレベルにしますよ」
おいおいマジかよ。夢ならさm
どうして俺は入学式当日にこんなに疲れているんだ。オペレーターの人も最初は入学できる最低レベルとか言ってたのに
「まさかここまでとは。シゴキがいがあります」
何て言ってたし。まあそのお陰でシミュレーターとはいえ3分の1の確率で代表候補生に勝てるようになったのだからいいか。初撃が当たれば勝ち。外れたら負けという火力任せだったが俺らしくていい。あの日から毎日訓練だったけど恥ずかしくないレベルにはなっただろう。ここから俺の学園生活が始まるんだ。さてどんな出会いがあるのかな?
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