ハーメルン
迅雷の軌跡Ⅱ
〈翡翠の騎神〉VS〈灰の騎神〉

〈12月10日温泉郷ユミル・早朝〉

レイ「フッ!ハッ!」

レイは早朝からユミル渓谷道の最奥―2騎の騎神を置いてある所で両腕にカイザークローを装着し、魔剣カイザーブロードと魔槍カイザートライデントに持って鍛練に励んでいた。

レイ「ハアァァァ……シェヤアァァァッ!!」

そして最後に一振りして魔剣と魔槍を下ろす。すると背後からパチパチと拍手が聞こえ、そちらを振り向くと腰に太刀を携えたリィンがいた。

リィン「凄いなレイ。流れるような剣捌きでありながら力強い一閃。思わず見入ってしまったよ。」

レイ「ありがとう。それより、太刀を携えているという事はお前も鍛練か?」

リィン「ああ、子供の頃からやっている事だからな。」

レイ「なら今度は俺がお前の鍛練を見させてもらおう。」

そう言ってレイは今までいた場所から離れ、リィンに場所を譲る。

リィン「あはは、迅雷(サンダークラップ)に見せれるような剣じゃないんだが一生懸命やるよ。」

苦笑しながらリィンは鞘から太刀を抜き、構えを取る。そして自分が会得している〈八葉一刀流〉の技を次々と放っていく。

レイ(初伝・中伝クラスの技と奥義は一応モノにしているようだが――)

リィン「ハッ!ハアァァァッ!!」

レイ(今の心のままでは“鬼の力”の制御は難しそうだな。何かきっかけがあればいいんだが……)

そしてリィンが一通りの技を終えると、ミルディーヌとセリーヌが渓谷道最奥に現れた

リィン「セリーヌ、それにミルディーヌさん。どうしてここに?」

ミルディーヌ「ウフフ、リィンさん。私は貴方より年下なんですから呼び捨てで結構ですよ。」

リィン「はっ、はあ善所します……。」

セリーヌ「私はあんた達2人に用があって来たの。そしたら偶然この子とバッタリ渓谷道入口で会ってね。そのまま一緒に来たのよ。」

レイ「そうだったのか。それで用事というのは?」

セリーヌ「あんた達2人には騎神に乗って戦ってもらうわ。」

その言葉にリィンは驚くが、レイはすぐにセリーヌの言葉の意味を理解したようだ。

レイ「なるほど。〈灰の騎神〉が今どれだけの力を使えるか、そして〈翡翠の騎神〉はどれ程の力を持っているのか。それを見定める為の戦いという事か。」

リィン「そういう事か。」

セリーヌ「話が早くて助かるわ。まあ、鍛練の後だから休んでからで――」

ミルディーヌ「いえ、それには及びませんよ。」

そう言ってミルディーヌは一歩前に出てレイからもらっていた〈ARCUS(アークス)〉を構える

ミルディーヌ「ARCUS駆動。――ティアラ。」

水系の中級治癒魔法をかなりの早さで発動したミルディーヌ。そしてレイとリィンの鍛練による疲労はあっという間になくなった。

レイ「相変わらず駆動が早いな。」

ミルディーヌ「トヴァルさん程ではありませんが。」

セリーヌ「それじゃ、早速騎神に乗ってくれる?」

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