第16話
二人から預かった戦闘服に術式を刻み込んでいきながら、聖剣の位置を確認していると、どうやら一カ所に合流してから何処かを目指しているみたいです。多少気にしながら作業を進めていき、二人分が完成した所で聖剣使い達が何処を目指していたのかが分かる。
駒王学園。
なんでそこに行くのかな。また部長達が面倒な事をしてないと良いんだけど。
寝ている二人を起こして戦闘服に着替える様に指示を出す。ルゥには教会の守護を頼む。もしかするとここに襲撃を仕掛けてくる可能性があるからだ。
準備が終わった二人と共に駒王学園の傍まで転移する。
学園の傍に転移すると、既に結界で覆われていて校門の所に会長達がいた。
「会長」
「木場君ですか。そちらがリアスの言っていた教会からの?」
「そうです。状況はどうなっています」
「報告にあったコカビエル一派がグラウンドで何かの儀式を始めています。その影響が周囲に出始めていたので今は私の眷属達で結界を張っています」
「部長達は?」
「それが、直前にリアスが釣りを行われて、そのまま眷属達と共に交戦に入ってしまいました」
くっ、明らかに狙われていたみたいですね。それにしても他の眷属に連絡する余裕はあるのに僕には一言も無しですか。まったく、上からの命令にも従えないとは。
「魔王様達に救援は?」
「既におね、セラフォルー・レヴィアタン様に。リアスの方もサーゼクス・ルシファー様に行っているはずです」
「分かりました。それでは会長達はこのまま結界の維持をお願いします。それからこの魔剣を。持っていれば魔力にブーストを行ってくれます」
「ありがとうございます。シトリーの名に賭けて結界は維持してみせます」
「頼みます。ゼノヴィアさん、紫藤さん、行きますよ」
「「はい」」
一時的に結界に穴を開けてもらい、学園に侵入する。そのまま一直線にグラウンドに向かうとケルベロスと同年代のエクソシスト達に部長達が追いつめられていました。まったく、世話の焼ける人です。
今にも部長を喰い殺そうとするケルベロスの体内に魔剣を産み出し、そのまま壊れた幻想で爆殺します。
「まったく何をしているんですか」
「祐斗!?」
「「「「「祐斗さん!!」」」」」
「木場、来てくれたのか」
「何かあれば連絡する様に言っていたでしょう。それから、上から目障りなんですよ、コカビエル。ただ生き延びただけの堕天使風情が」
体内の重力制御の魔剣に魔力を通して大導師の重力結界っぽい物を発動させてコカビエルを地面に叩き付ける。
「くっ、これは!?」
「ゼノヴィアさん、紫藤さんはコカビエルを。一定以上の高さには飛ばしませんが援護はしませんよ。二人で出来る所までやってください。ただし、命は大事にして下さいよ。生きていればいくらでも治療してあげますから」
「「はい」」
二人が聖剣を抜き放ち、地面に叩き付けられたコカビエルと交戦に入る。
さて、僕は聖剣の方をどうにかしましょうか。
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