17コア「トゥエンティ再び、仮面ライダージオウ」
「あれ?……なんだココ?」
その時、アスラは深くて冷たい、闇の中にいた。360度どこを見渡しても一寸先は暗闇だらけ。自分がなんでこんなところにいるのかも皆目検討がつかなかった………
「よお……いらっしゃい」
「ッ!!」
そんな時、暗闇から男の肉声だけがアスラの耳を通過してきた。アスラはその声に反応して再びあたりを見渡してみるが、そこには闇だけで誰もいやしなかった………
「……誰だよ?…どこにいやがる?」
アスラが声の主に訊いた。
「誰だとはつれねーな……オレはいつだってオマエの一番近くにいるのによ」
「……いや、オマエみたいなヤツ断じて知らん!!」
意味深な言葉を呟く闇からの声。いつもアスラの近くにいるのはエールとかムエとか、強いて言えばテンドウくらいだ。しかし、その声はその中の誰のモノでも無い。
「ゼゼゼ……まぁ良いだろう。オマエの身体はそのうちオレがもらう……!!」
「………ッ!?…オマエ何なんだよ!?」
独特な笑い方をしながらまたしても意味深な言葉を呟く闇からの声。まるでアスラを乗っとると言わんばかりの言い草にに、アスラは思わずその声の正体を探ろうと声を荒げてしまう………
「……オレ?………オレは………」
「ッ!?」
闇からの声が質問に答えようとするが、それを言いかけたところで深い闇が晴れ上がって行き、光が差し込んで来た。その眩しさにアスラは顔に腕を覆いかぶさった………
ー…
「うわッッ!?!」
時刻は深夜。アスラはまるで悪夢でも見ていたかのように勢い良く布団から飛び上がった。
ここは寝泊りしている豪華な旅館だ。横の部屋ではエールとムエが眠っているはずだ。
「な、何……なんで起きたのオレ??………なんか夢の中で誰かと話してたような………」
しかし、その悪夢が何なのかをいまいち思い出せないアスラ。体中は多量の発汗をしているため、何か悪い夢でも見ていたのは間違い無いのだが………
「………ま、いいや!!……もっかい寝よ!!」
切り替えの早いアスラ。現実になるはずも無い夢を思い出そうとしても無駄だと思い、すぐさままた眠りにつく。
この時、机に置いていた自身のデッキケースの中にあった『仮面ライダー龍騎』のカードが黒く輝いていた事は知らず…………
******
「うぉぉお!!…スッゲェ、雪とか氷とかで色んなもん作れんだな!」
「むえ〜」⬅︎何となく鳴いてる
「雪像と氷像って言うのよ、そんな事もわからないの?…流石コモンね」
翌日、季節は夏だと言うにもかかわらず、今日も粉雪が降り積もるユキカイ町。
そんなユキカイ町には年に二度、あるイベントが開催される。それが今アスラ達が見ている『ユキカイ雪祭り』だ。多くの匠達により造られた氷像や雪像が所狭しと町の大広間に並んでおり、多くの人たちがそれを一目見ようと足を運んでいた………
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