ハーメルン
憑依學園剣風帖(東京魔人学園剣風帖×クトゥルフ神話)
如月骨董店2
如月骨董店で装備一式を揃えることになった私たちは、装備の仕方なんかを教えてもらいながらちゃくちゃくと準備を進めていた。武器といっても最大25人も仲間になるだけあってすでに品揃えは豊富であり、如月が出さないだけでまだまだある。
小甲や日本刀、指輪、足甲、弓、槍、白衣、鞭、帯、忍び刀、銃、薙刀、鈴、バット、靴、リボン、西洋剣、青龍刀、花札、杖、扇。
「槙乃はどうするの?美里ちゃんみたいに《力》が中心だからやっぱり指輪?」
「そうですね......魔力を増幅させた方がいいと思うので。葵ちゃん、見せてもらってもいいですか?」
「指輪ならこのケースって如月くんが......」
「槙乃さんは刀の方が馴染み深いんじゃないのかい?時諏佐先生に師事してるじゃないか」
「えっ、それほんと!?」
「なら、そちらの方がいいんじゃないかしら?」
「槙乃剣道やってるの?」
「校長せんせってあれだろ?たしか北辰一刀流の師範だって聞いたことあるぜ?おい、時諏佐ァ~?なんでお前新聞部に入ってんだよ、剣道部入れよッ!女子部員が不足してんの知ってんだろ!?」
「......余計なことを言ってしまったようだね、すまない」
「ほんとですよ、如月君......」
私はためいきをついた。
「みんなに言わなかったのは、実力が伴ってないからですよ。いくら習う期間があってもおばあちゃんにため息つかれるレベルで下手くそなんですから、勘弁してください」
「へえ~?どんくらいしてんだ?」
「時諏佐家に養女に来てからだから......何年になるんだろう?ええと......」
「おい、京一ッ!」
「わあああ、槙乃、ごめんね!」
「なーに余計なこと聞いちゃってるのよ、このバカは!」
「わ、わりい時諏佐ッ!そういうつもりじゃ......」
「あはは、気にしてないですよ。別に隠してるつもりもないですしね。聞かれたから答えただけで。私とおばあちゃん似てないでしょう?私が養女に来たからなんですよ」
あっけらかんと笑う私にみんなホッとしたのか息を吐いた。
「時諏佐家の跡継ぎが誰もいないからぜひ来てくれって言われたから、今の私はここにいるわけです。それを隠すのはおばあちゃんに失礼ですから。......とはいえ、まさか養女になったその日からあらゆることを叩き込まれることになるとは思いませんでしたけど。あはは......」
遠い目をする私になにかを察してくれたようで、みんな同情してくれた。
「家族としてみてるからだとわかってるので辛くはないです。ただ才能がからきしだと日々痛感してまして......学校くらい好きにしたいんですよ......」
「だがな、槙乃さん。それは今までの平穏な日々だったからよかったんだろう。君たちのやろうとしていることは聞かせてもらった訳だが、近づかれたらどうする気なんだ?美里さんは武芸とは無縁なようだから、無理にとはいわない。だが君は護身くらいできるのではないかな?」
「うっ......それは......そうかもしれないですけど」
「時諏佐先生は《力》のコントロールをする上で接近戦に対応できるようにと。イメージしやすくなるようにと師事していると聞いたが......違ったか?」
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