ハーメルン
【完結】まちカドまぞく/陽夏木ミカン攻略RTA
桜エンド/それはあり得た物語

 ──カツ、カツ、と湿った石畳の上を歩く人影が二つ。古い遺跡の中を、松明を片手に、青年と女性が迷いなく歩いていた。

「いやぁ~君のお陰で探索が楽チンで良いねぇ。あ、楓くん、眼の負担は大丈夫?」
「──ええ、大丈夫で……桜さんストップ。()()を踏まないで」
「およっ?」

 おもむろに女性──千代田桜の肩を押さえた青年、秋野楓は足元を指差した。
 他のモノと同じような地面だが、楓の()は違うモノを捉えている。

「……もしかして()()?」
「どの遺跡や洞窟にもありますね、これ」

 松明とは別の手に取った登山用の杖を違和感を覚えた部分に押し込むと、二人の眼前をバシュッと音を立てて無数の矢が横切った。

「わお」
「……、…………。はい、罠の場所はわかりました。俺がマークした所を追従してください」
「ああ、もう()()んだ。──何回当たった?」
「一歩ずつ確かめたので……12回?」

 そう言いながら、楓は足で靴の踵を弄ると、地面の罠が無い部分に一歩ずつ跳ぶ。すると、着地した部分に足跡の形の目印が残る。
 最後の一歩で反対側に着地して、楓は振り返ると桜に声を投げ掛けた。

「桜さん、来てください」
「はーい。よっ、とっ……ほっ」

 桜もまた楓と同じようにして、マークされた部分を踏んで跳躍する。そして楓の隣に着地すると、満足げに額の汗をぬぐった。

「ふぃ~、到着っ」
「あとは……特に無いですね、前回は最奥に到着した瞬間に踏まなかったトラップ全部起動して大変なことになりましたが」
「あれすごかったよね」

 テーマパークもかくやと言わんばかりの大騒ぎを脳裏に思い返しつつ、楓と桜は奥に進む。
 最奥の行き止まりに到着すると、二人の眼前には、上に物が置かれた台座があった。

「今回のお宝はなーにっかなー」
「結界に使えると良いんですがね」

 手を擦り合わせて品定めする桜に楓が言う。持ち上げる、持ち上げてから少し待つ、持ってから帰る、といった行動で罠が作動しないかを()て、それから彼女に頷いた。

「……取っても大丈夫そうです」
「ん、ありがとね楓くん」
「いえ、シャミ子の為ですから」

 楓は伊達眼鏡を上にずらして、目頭を指で揉みながら答える。隣で台座から飾られている物──ハニワのような置物を拾い上げて、桜はそれをまじまじと観察してからバッグに仕舞った。

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