修行
ベジータ「うぅ…、クソったれ…あの野朗…。」
かなりの高さから落下したベジータ
屈強な肉体を持つサダラ人といえど彼はまだ5歳。
相当なダメージを負って悶えていた。
だが、動けないほどのダメージではなく
ヨロヨロと立ち上がって辺りを見渡した。
近くを川が流れ、周りは鬱蒼とした密林
上を見れば濃い霧がかかっている。
ベジータ「ちくしょう、どこから這い上がったらいんだよ。暗くて良くみえないし…。それに…。」
グウゥゥゥ…
ベジータ「腹減ったぁ…。」
家を出てから何も口にしてないベジータは、空腹を満たそうと
近くの川に向かった。
川に来たのはいいものの、水を飲むくらいで魚を捕まえる事も出来ず
ただ呆然と座っていた。
しばらく川を見つめていたベジータだったが、ガサガサという不審な物音に気付き
息を潜めてジッと辺りを見渡した。
ベジータ「(へっ!やっと腹が満たせるぞ!なんだ?クマか?イノシシか?さぁ来やがれ!)」
やっとの思いで食事にありつけると胸を踊らせて身構えていたベジータだったが、目の前に現れたのは
3メートルはある巨大なミミズ。
キチキチ…キチキチ…と、奇妙で不気味な音を口から発しながら
ニョロニョロとベジータに近づいてくる。
ベジータ「う…!なんだあのデカさは!?気持ちわり…食えんのかな…?」
戸惑いこそあったが、空腹に耐え切れずベジータは大ミミズを獲物として認識した。
そう決めたベジータの行動は早かった。
大ミミズの頭と思われる箇所を手刀で切断し、ゴロンと転がり落ちた頭をグシャリと踏みつぶした。
ベジータ「うえ〜っ…ブヨブヨしてやがるぜ…。やっぱり気持ちわりぃ〜…。」
頭を切断された大ミミズは、体をグネグネと動かしていたが
しばらくすると完全に動きを止めた。
ベジータ「…クソったれ。こんなとこで死ぬ訳にはいかねぇ…食ってやる!」
昔父のジベに教わった火の起こし方を思い出し
手際良く火を起こし、大ミミズの肉片を木の枝に突き刺して炙りだした。
こんがりと焼けた大ミミズの肉片は、緑色の肉汁を滴らせて
香ばしい匂いを漂わせている。
が、見た目がやはりグロテスク。
よし!食うぞ!
今食うぞ!
よし!…いや。
いや!!食う!
うん!食うぞ!!
……。いやぁ…やっぱり…。
そう独り言を呟いて、かなり葛藤していたが
意を決して口に含んだ。
ベジータ「ん?ふがふがふへふは!(ん?なかなかいけるな!)」
決して美味とはまでは行かないが、全然食べれる。
そう思ったベジータは大ミミズを丸ごと焼き上げ
ペロリと平らげた。
ベジータ「ふぅ〜!食った食った!!腹八分ってとこかな!腹も満たせた事だし、今日はもう寝よう。」
食事を済ませたベジータは、太い木の根元にもたれかかり
目を詰むった。
満腹感と、疲労で猛烈な眠気に襲われ
すぐに深い眠りに落ちた。
翌日ベジータは妙な気配に気付き目を覚ました。
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