其の十八 事件と怒り!!の巻
「殺人事件!?」
光にワサビパンを食わされた数日後、霧夜先生に呼び出されると以前調査した街で殺人事件が起きたことを伝えられた。
「被害者は遺留品からなんとか分かったんだが…あの街で最近騒ぎを起こしている不良グループのメンバーだった。」
霧夜先生が俺たちに見せた写真に写ってたのは以前光に絡んでいたチンピラ達だった。
「遺体はほとんど炭化している。おそらくとてつもない火力の炎で焼かれたのだろう、つまり…」
「スカルの仕業…」
普通の任務と思ったらスカルが絡んでくるとは…
「こいつらの他にも同じような殺人事件があの街で起きているそうだ。神門様はこの事件をスカルによるものとみなしてお前に特別任務を任せるとのことだ」
特別任務…ということは
「竜司、再びあの街に赴きスカルの調査、そしてスカルを撃破しろ」
「はいっ!!」
「じゃあ例のスカルは貴様の部下ではないのだな?」
「ええ」
とある屋敷の一室で身体中に包帯を巻いたメドューサ、華蛇(かだ)が華やかな装飾の服に身を包んだ金髪の男、ドラゴンに街で現れたスカルについて問いかけていた。
「最近はリューマの成長が凄まじいので新しいスカルを生み出すのもやめてますし部下にもあまり好き勝手しないよう念押ししているので私ではありませんよ」
「そうか…とすれば…」
「ええ、『あいつ』でしょうね」
2人は今回の騒ぎを起こした首謀者を確信した。
「ひっどいなこりゃ…」
俺はチンピラ達が殺された現場を見ていた。道路は熱で溶けており立ち入り禁止のテープが辺りに張り巡らされていた。
「今までのスカルも大概だったけど今回のやつはかなりやばい奴みたいだ…また次の犠牲者が出ないうちに解決しないと」
「ちょっと君、何してるのかな?」
ふと声が聞こえて振り返ると温和そうな中年の警察官が立っていた。
「あ…すみません、なんか事件があったって聞いたので興味が湧いて…」
「好奇心があるのは良いけどここは危ないから気をつけなさい。この街は今物騒なんだから」
「う、すみません」
「うん、わかればよろしい。では」
俺が謝ると警官はにっこりと笑って立ち去っていった。
「ふう、びっくりした…」
あんまり目立たないように調査をしなきゃいけないってのに…ん?
「あ…」
「げっ…」
ふと誰かの気配がしてそこを見るとボロボロの服と帽子をかぶった少年、光がこちらを見ていた。
「や、やっべ〜!!」
俺を見て慌てた光は逃げようとする。
「待ちなさい」
俺は光の首根っこを掴む。
「うわぁ〜ごめんなさ〜い!!ちょっと調子に乗りすぎました〜!!」
「わかってるわかってる。それはあとでしっかりみっちり説教から落ち着けって」
「いやだ〜!!」
「美味しい〜♪」
「よく噛んで食べろよ」
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