6話 拠点整備2
「…またその姿か、奏音」
「こっちの方が好きでしょ、夜斗」
「そんなことない…と言っても無駄か」
「よくわかってるね」
奏音が夜斗の上に座り、寄りかかる
二人は同じ部屋に寝泊りする。いつのまにかこれが当たり前になっていた
「奏音、《執行者》は安定してるのか?」
「まぁ、一応。少し登録増やしたけど特に暴走はしてない」
そう言って奏音は操作していた端末を夜斗に見せる
そこには奏音が使える技が何個か記載されていた
「見た目操作と反魔力は前からあったが、この…自動操作ってなんだ?」
「私の意思通りに機械を操作するの。例えばあれ」
奏音が掌を向けた先にあるのは、この拠点の副操作機だ
主操作機は艦橋と呼ばれ、三交代制で「図書館」のメンバーが管理している
基本は自動飛行だが、着陸と離陸はマニュアル操作を必要としているため、燃料補給になると今の人数の倍の人員が操作を担当することになる
しかし彼らも休憩や会議をするために長時間あけることがあるため、その間は奏音が計器系を確認するのだ
「《執行者》執行モード、ゼロワン」
奏音の声に応えるように、副操作機が起動する
艦内放送で艦橋にいる操作員に声をかける
「今からちょっと制御かりるから、10分休憩して。楽しんでね」
放送を切った奏音は、《執行者》で自動操作を起動した
拠点用空中要塞が上昇を始める
「…これが自動操作か?」
「だいたいはね。アイリスの能力と組み合わせれば、自立思考固定砲とか作れる」
「便利だな、それ」
「各地におこう。自動操作は龍脈を利用して霊力を補給するし、刻印できるから本当に自動にできる」
「最高だすぐやろう」
夜斗はそう言って従者を呼び出した
「お呼びですか、主様」
「雪音、今すぐアイリスを呼び出してくれ。あと貨物列車の会社に連絡して各地に搬送準備を要請」
「承知いたしました」
従者雪音は、仰々しく頭を下げ、扉を閉めた
雪音は《破壊者》という恩恵を持っているが、その特性上1対多に向いている
故に、緋月一族にはノータッチになってしまう。殲滅する気はないからだ
「私はとりあえず、国会議事堂壊してくる。あんなのお金の無駄」
「地上拠点を作るか。うちの資金で」
「ん。税金使うまでもない」
二人はそう話して、アイリスがくることになる応接室に向かった
尚、この応接室は誰かを招いたことはない。どちらかといえば、夜斗の部屋に入らない人たちと話すための場所だ
アイリスや佐久間、従事員が夜斗と話すための部屋、ということになる
外から人を招くことはない
「少しずつ…変えて行こうか」
[9]前話 [1]次話 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/1
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク