マスコミ事件→USJ襲撃
百ちゃんと少し仲良くなりました。
明日ご飯を一緒に食べようって約束してみたり。せっかく同じクラスなんだから仲良くしたいもんね。
それと、今朝は一段とマスコミが凄かった。
私は足元をさらっとすり抜けてきたけど、みんなは割と絡まれて大変だったみたい。警備員さんとかもお仕事してるとはいえ人数が人数だし、向こうも悪気があるわけじゃないから強硬な態度にも出にくい。
ヒーローが一般人に足を引っ張られる、っていうのもアレな話だ。
「急で悪いが今日は君らに学級委員長を決めてもらう」
立候補が乱立した後、飯田君の発案で投票制になった。
飯田君本人も立候補してたのはご愛嬌として、この時点で仕切ってる気がするのは気のせいだろうか。
一人一票ずつの投票権、私はどうしようか。
確か、峰田君は自分に入れてたっけ。私は委員長って柄じゃないから他の人にいれるけど――飯田君か百ちゃんか。せっかく訓練で一緒になったし百ちゃんにしよう。
結果。
デクくん三票。百ちゃん三票。
私の一票が増えたせいで同点に。どっちが委員長かじゃんけんで決めた結果、デクくんが勝利した。こういう無駄なところで運を使うのはデクくんらしいかも。
ちなみに私にも一票入っていた。何故だ。
◆ ◆ ◆
「惜しかったね、委員長」
「残念ですわ。運ばかりはどうしようもありませんもの」
百ちゃんと二人でお昼ご飯。
私はオムライスとカレーライス。百ちゃんはミートソースパスタとビーフステーキ(ライス付き)。そういえば大食いキャラだったっけ。
なんか親近感を覚えちゃうかも。
「綾里さんは健啖家ですのね」
「私の身体、回復力が高い分、エネルギーを使っちゃうから」
「なるほど。わたくしも“個性”に脂質を使うので、たくさん食べる必要がありまして……お恥ずかしいのですが、綾里さんと一緒なら安心ですわ」
一人だと目立つけど、二人以上なら「そんなもんか」で割と流されるもんね。
「私も、よく人から驚かれるんだ。八百万さんとお揃いで嬉しい」
「まあ」
百ちゃんはくすくすと笑ってくれた。
「でも、お昼にビフテキなんて豪勢だね」
「古風な言い方ですのね。……我が家ではよく食べるのですが、綾里さんのお宅では?」
「うちは洋食屋さんをやってるから見慣れてるけど、食べるのは時々かな。お店で残った食材を使うことが多いから」
カレーとかシチューが余ったら消費しちゃわないとだし、明日に持ち越せない食材で即興料理が始まることが多い。
「お店を営んでいらっしゃるのですね。お名前はなんと?」
「そのままだけど『RYORI』だよ。街の洋食屋さんだからちょっと騒がしいけど、安くて美味しいのが自慢なの」
「素敵だと思いますわ。綾里さんの笑顔を見るだけで、皆様に愛されているのがわかります」
あれ、百ちゃんって良い子すぎない……?
と、チョロインみたいな感想を抱きつつ、百ちゃんとしばし雑談をしていると――突如、大食堂を含む校内に警報が響いた。
しまった、話に夢中で食べ終わってない。
私のお皿も百ちゃんのお皿も二割分くらい料理が残っている。
「何事でしょう……!?」
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