ハーメルン
理想の聖女? 残念、偽聖女でした!(旧題:偽聖女クソオブザイヤー)
第十話 入学、魔法学園

 ファラさんの生徒誘拐イベントから一夜が明けた。
 あれからファラさんは何か仰々しい裁判所みたいな場所に連れて行かれたが、俺が『この人無罪です』と言っておいたので多分死罪になる事はない。
 俺が何も言わなかったら、操られてようが何だろうが無関係に問答無用で死罪だったと思う。
 法律どうなってるのと思わないでもないけど、この世界で聖女を殺そうとするっていうのはそれくらいにやばい事らしい。まあ俺偽物だけど。
 これ、偽物ってバレたら俺死刑台に送られそうだな。
 それと、城に戻ってからは近衛騎士の皆さんや教師の方々に盛大にお説教をくらった。
 まあ気持ちは分かる。この人等の立場からすれば護衛対象が俺みたいにあっちこっちフラフラして死なれでもしたら責任問題になるだろうし、職も失って無能の誹りも受けるだろう。
 そりゃふざけんなって話になるのも仕方ない。
 でもまあ、一応そうなった時の為に俺の私室のテーブルの鍵付きの引き出しには俺が実は偽物でしたっていう盛大なカミングアウトと、後に残された人達には一切落ち度はないよっていう遺書を残してある。
 備えあれば憂いなしってな。
 海外の似たようなことわざだと、『Hope for the best,but prepare for the worst .(最善を願いながら、最悪に備えよ)』という。
 あ、これ格好いいな。次技名にしよう。

 とりあえず何とか序盤の山場は超える事が出来た。
 ここからはしばらくは平和なもので、ヒロインごとに個別イベントがあったり、痴話喧嘩があったり、すれ違いイベントがあったりするけど、この辺は別にスルーしてもいい。
 ベルネルが何を血迷ったのか『ボディビル♂エンド』に向かおうとしてた時は流石に本気で慌てたが、今になってみれば案外これも悪くない。
 全サブヒロインを無視しているという事は、逆に言えばヒロイン候補がエテルナしかいないという事だ。
 で、『ボディビル♂エンド』に行かないように釘は刺したので、つまり必然的に消去法でエテルナルートが決まったも同然という事になる。
 勿論俺はあり得ない。俺はホモじゃない、いいね?
 だから万一……億が一、向こうがアプローチしてきても普通に振って終わりだ。
 一緒に歩こうとか言われても必殺の『友達(イマジナリーフレンド)に噂とかされると恥ずかしいし』で断る、
 いやー、当初はどうなるか思ったけど俺の神調整で気付けば万事オールオッケー。やっぱ俺って天才じゃね?

 ……ただまあ、うん。何せ一回は『ボディビル♂エンド』に行こうとしたような奴だからな。
 何の間違いでルートを外れるか分かったもんじゃない。
 それに前も言ったが、ヒロインに選ばれないと死んでしまうサブヒロインもいるので、やはり俺がすぐ側でフラグ管理をしてハッピーエンドに導いてやる事こそが最善だと思う。
 つまりは俺自身が入学する事。これが一番楽な方法だ。
 というわけで早速手続きをするようにレイラちゃんにお願いしてみた。
 それ近衛騎士の仕事なの? とか思われるかもしれないが、ああ見えて彼女は文武両道で何でもこなせるスーパーウーマンだ。
 手続きなんて彼女にかかればちょちょいのちょいで終わる。
 そんなぐう有能なレイラをスットコと呼ぶのは可愛そうなのでやめてさしあげろ。

「駄目です」

 おいスットコォ!

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/5

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析