ハーメルン
ULTRAMAN TIGA TAKE ME HIGHER
第二話 ウルトラマン Act.1

世界保健機関「WHO」は、近年増加する地球の異常気象、その裏側にある不可解な地殻変動や、生態系を調査するため、直轄組織の中で「TPC」設立した。

正式名称は「Terrestrial Peaceable Consortium」であり、世界中の人々がよりよい暮らしを営めるように地球環境の調査、整備をすると共に、最新科学を駆使した様々な研究開発が行われている。

「ご覧のように、光の巨人…ティガと呼称する巨人は、戦闘の途中で著しいパワーダウンを起こしました」

TPC日本支部の施設内で、白衣を着て説明するのは、TPC局長である「安藤 棗(アンドウ・ナツメ)」は、モニターに映るティガの映像をわかりやすいデータシートともに解説していた。

「観測班からのデータでもわかるように蘇ったばかりのティガの肉体は、赤と紫のマーブルカラーでしたが、額付近で腕を交差させた瞬間、肉体が銀色へと変化しています」

GUTSが遭遇した巨大生命体「ゴルザ」と、光の巨人「ティガ」の映像は、同行していた指揮者からも観測しており、その戦いの様子はモニタリングされていた。

安藤の言うように、モニターに映るティガは額付近で腕をクロスさせた途端に体から稲妻が走り、その場に膝を付いている。

「戦闘も見て分かるように、ティガの格闘能力が低下し、モンゴルで観測された巨大生物を逃してまう結果に…」

『説明はもう良い』

安藤の声を遮ったのは、その映像を見つめていたスーツ姿の政治家だった。

『安藤くん。我々が知りたいのは、あの巨人が人類の味方なのか、巨大生物はどこから、なぜ、現れたのかだ』

TPC日本支部と映像通信で繋がっている政治家たちの関心はそこに尽きる。怪獣の能力や、巨人の肉体の変化など二の次で、それらの脅威がいつ、どこで現れるのかを知りたがっている。

安藤は、いつも変わらない視点しか持たない政治家たちの相手にうんざりしていたが、この施設の運用資金を出している出所も、政治家だ。張り付いた笑みを浮かべたまま、今度はゴルザの進行ルートと、反応が消えたポイントマップを取り出す。

『ユザレの予言だとか、そんなオカルト染みた話ではなく、もっと具体性を持った回答をだね———』

明らかに小馬鹿な言い草をする政治家たちの質問は、結果的に徒労に終わるのだった。反応の消えたゴルザの居場所は、未だにわかっていない。そして光の巨人であるティガも…。









「彼らは信じませんよ。ただでさえ、モンゴルで発見されたゴルザの詳細すら隠蔽しようとしているのですから」

フォーマルなレディーススーツと白衣と言った格好をしている安藤のあとを、TPC直轄部隊であるGUTSの指揮官、「入麻 恵(イルマ・メグミ)」は政治家たちの意向に従う安藤の言葉に反論していた。

東北地方で地中へと姿を消したゴルザは、日本海側の海底まで潜り続け、そこから消息を経っている。再び現れる可能性を考慮すれば、日本海側の防衛網を見直すべきだと、入麻は自衛隊やTPCに打診を続けていたのだ。

「政治家たちは、これで一連の騒動は収まったと思っているのさ」

安藤も、入麻の言っていることに理解は示していたが、その費用を出すのも政治家の仕事だ。彼らがゴルザやティガが消えたことで騒動が収まったと考えているのなら、入麻の言う案が採用されないことも必然だろう。

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