前夜
「すみません、お詫びとしてこの足臭同僚ひっく、腹切りますんで」
「おい、なんで俺が腹切らなきゃいけないんだよ、後足臭くねぇし」
「貴方は切りませんよ私が貴方の腹を切るんです」
「お前一回顔洗ってこい………」
せめて自分が代償支払えや、人の腹使って詫びるなや。
つーかなにこのカオスゥ、どーしてこーなった。
「いやぁそこの柊木?って人が伝え忘れてたみたいでさ、もともと山で小規模に飲む予定だったんだけど急遽こっちに変更したってわけ」
「にとりん………止めろや!」
「いや、私もさっき知った、誘われたから来ただけだよ」
あ、柊木さんが白刃取りしてる、すごーい。
じゃなーい、止めないと、ふて寝して夜に起きたらこれって、とんだカオスだなぁおい!あれ、椛もしかして吐く?吐くぅ!?ちょっとまってうちの家の壁には——
「いやああああああああああああ!!」
「あー綺麗にかかっちゃったね、いつもより飲みすぎちゃったねー水飲む?」
「あぁ、すみませんどうも………」
「おまっ、どうしてくれんねんこれ!おまっ、これっ、壁が、壁がぁ!つかくっっさ!」
うわぁ最悪だぁ、新築にもう傷がぁ…豆腐にゲロがぁ………
「まぁまぁ、嫌なことは忘れていっぱい飲みましょうよ毛糸さぁん」
「ちょ、酒瓶持ってこっちくんな!ちょま———」
・・・あれ?
今、意識が飛んで………
「いやぁ私も驚いたね、毛糸は酒無理なんだねぇ」
「へ?あれ、私なにしてたんだっけ」
「文がね、君のね、口にね、酒瓶をね、突っ込んだらね、気絶した」
「なんかその言い方腹立つな」
そっか、私酒飲まされて気絶………いやいや、気絶はおかしいでしょ、子供でも間違えて一口飲んじゃったりするけど大抵は無事だよ?なんで私気絶して………
「くさっ!何この匂い」
「なにって、そりゃあ、ね」
あ、はい。
どうやら寝室のところで寝かせてくれてたらしい、流石にとりんやさしい。
「みんなは?」
「外で飲むの飽きて中で飲んでた、その後また外行った」
「へぇー、ふーん、ほーん、ちょっとふて寝するわ」
「まぁ待ちなよ、今頃あの二人も外であれしてるからさ」
「外ねぇ………外ならまぁ………ってかあれは飲みすぎでしょ」
「文はねぇ、なかなか休みが取れないらしくって、今回急に休みになったからみんなで飲もうってなったらしいよ」
じゃあ自分たちでやればいいじゃん、私巻き込むなよ。
「椛はねぇ、一回飲むと止まらない系だね、極限までいって刃傷沙汰を柊木さんが止めてるらしいよ」
「柊木さんはあんまり酔ってなかったみたいだけど」
「めっちゃくちゃお酒強いらしい、私はあんまり飲まない」
はぁー、もう憂鬱だわー。
これあれでしょ?朝になったら周りに嘔吐物いっぱいあるパターンでしょ?で、それを片付けるのは?わ、た、し。
「どーしてこーなったんだよ」
「なんか文が大事な話があるからついでに飲むって言ってたような………」
大事な話?
それってもしかして、ほかの天狗たちがどうとか言うあれ?
「ちょっと私行ってくるわ」
「あ、私もついていくよ、どうせ河童たちも無関係じゃいられないだろうしね」
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