ハーメルン
くくく、チート転生者のこの俺に勝てるわけが……ぐふっ!?
006、スタイリッシュ社長スレイヤー

 17.


「ここがリドラ社の本社ビルか……」


 依頼主のスコットさんが教えてくれた場所に向かうと、そこにはそれなりに大きなビルが立っていた。
 社長室は一番上らしいので正々堂々正面から乗り込むと少しめんどくさい。
 さて問題だ。
 こういう時はどうすれば良いか? 


「答えはこうだ!」


 隣に立っているビルを駆け上がり! 
 そのまま全力で壁を蹴り! 
 ターゲットのビルの窓をぶち破る! 
 これぞまさに、ダイナミック入社だ! 
(`・ω・´)キリッ


What(なんだ)!?」
「HAHAHA! I'm your killer(俺はお前を殺す者だ)!」


 適当に名乗りを上げつつ、そのままターゲットの頭を抉り取るために勢いよく貫手を放つ。
 かなり良い一撃だったのだが、当然殺し屋だと名乗りを上げてから攻撃するような真似をしたら防いでくださいと言うようなものだ。


「ふんっ!」


 俺の貫手はあっさりとボディガードらしい男の手によって防がれてしまう。
 その手付きを見る限りではかなり戦い慣れしている百戦錬磨の達人といった所だろうか? 


「イー・リャオソンか?」


 俺は間合いを詰めながら中国語で尋ねる。
 すると、相手は一本身を引きながら答えた。


「いかにも、私が伊遼孫だ」


 歳は40代、見るからに中国人といった感じの男だ。
 身長はかなり高めで、体格差的にはかなり不利だが、そんなものはいつもの事だ。
 一応、念を入れてその辺の店で買った仮面を付けてはいるが調べれば俺の情報なんてすぐにバレてしまうだろう。
 まあ、隠すような情報なんてないんだがな。


「……ほう?」


 一歩ずつ間合いを詰めていくと、その度に伊遼孫はターゲットのリドラを庇いつつ後ろへ後ろへと下がっていく。
 だが、先程の一瞬でこちらはドアを背にしており逃げるには俺が割った窓から飛び降りるしかない。
 だが、当然そんな隙を見せれば俺の追撃を避ける事などできるわけが無い。


 更に一歩間合いを詰めるとついに二人は窓を背にしてしまう。
 これで背水の陣の出来上がりだ。


「ひ、ひィ!? お、おい!? 
 か、金は払ってるんだ! 
 な、なん、何とかしてくれよ!?」
「いえ、相手は間違いなく格上、恐らくは私が負けるでしょう」
「おいおい……、こんな小さい奴を格上呼ばわりするとは大したボディガードだな?」


 俺が少し笑いながらそう言うと、伊遼孫はしっかりと構えを取りつつ答えを返した。


「まさかこんな所で闇の十拳の一人に出くわすとは思わなかったぞ。
 そうだろう?」


 闇の十拳? 
 なんだそりゃあ? 
 四天王や十二天将とかそう言う感じの匂いがするのでめちゃくちゃ強い10人の拳法家とかそう言う事だろうか? 

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