ハーメルン
くくく、チート転生者のこの俺に勝てるわけが……ぐふっ!?
008、卒業試験

 20.


 師匠(グル)のもとで修行を始めて、早くも7年の時が経った。
 12歳と、もう小学生から中学生へと上がる頃合いだが、俺の武術階級が特A級へと上がったかと聞かれると正直言って微妙な所だ。


 その間に数多くの小技を編み出し、まるで人間ビックリ箱のような存在にはなれたものの俺の実力はまだまだこれからと言った所で、師匠(グル)からはまだ一本も取ることが出来ていない。
 そんなある日、師匠(グル)に試験をするとか言われて珍しく海外へと足を運ぶ事になった。


「で、これってどこに向かってるんですか?」


 飛行機に乗り込んだのは良いものの行先も特に伝えられておらず、今度は誰と死合いをすればいいのかさっぱり分からない。
 向かっている方向は北アメリカの方なので北アメリカで有名な武術を使う人物が俺の相手なのだとは思うが……北アメリカって一体なんの武術が有名なんだろうか? 
 ボクシングとMMAくらいしか思いつかないのだが、そう言う事で良いのだろうか? 


「カカ、お前さんが欲しくて止まないある物を持っている男の元じゃわいのう」
「俺が欲しくて止まないものですか?」


 んん? 俺が欲しいものか……。
 俺が現在進行形で今すぐにでも欲しいものといえば、史上最強の生物の称号と師匠(グル)からの勝利といったものくらいだ。
 うん、無いな。


 ということはそのうち手に入れるつもりのものか? 
 まずは可愛い嫁。
 俺は童貞を捨てるぞジョジョ〜ッ! 
 次に、莫大な資産。
 俺は仕事を捨てるぞジョジョ〜ッ! 
 そして、最後に殺人許可証(フリーマーダラー)
 貴様は今までに殺した人間の数を覚えているのか? 


 え? 最後だけやたら物騒だって? 
 いや、だって……ねぇ? 
 武術のチートとサイヤ人の力と、そしてどんな怪我を負っても回復できる圧倒的な再生能力があれば誰だって戦いたくなるだろう? 
 ついでに、世界最強とかも目指したくなっても仕方がないだろう? 


 そして戦えば相手は死ぬ。
 つまりはそういうことだ。
 一々、一つ一つ警察沙汰とかにされたら面倒とかそう言うレベルじゃ済まない。
 最悪他の殺人拳の達人や闇に所属する達人とかに追われる羽目になる。
 それが単なる達人ならまだ良いんだが、師匠(グル)並の力を持った化け物に襲われるかもしれないとなると話は別だ。


 最近闇の十拳から一影九拳へと名前を変えたらしい上位十人とかに奇襲でも受ければ今の俺なら最悪即死しかねない。

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