ハーメルン
うちの脳内コンピューターが俺を勝たせようとしてくる
女流二冠

「今日は沢山指せたし、もう帰るぞ。という訳で帰ります。適当に食い物買ったんで皆さんで食べて下さい」

今日はあいの棋力の伸びと、ちぐはぐさも確認出来たので収穫はあった。空さんとは元々仲が悪いというか、馬が合わないというか、喋ったことすらほとんど無い。あの様子だと、もう俺とまともに喋れるようにはならないだろうな。

『……来年の三段リーグ、楽しみですね』
(ああ。女王のタイトル戦直後に三段リーグは行なわれるからな。もしも天衣が女王のタイトルをもぎ取っていたら……少なからず、影響はあるはずだ。その影響で1番得をするのは、鏡洲さんのはず)

原作の空銀子は好きだったし、いわゆる姉弟子派で、大正義ヒロインになった時には大変喜ばしかった。実際に見ると美少女過ぎて、話しかけるのも躊躇した。九頭竜との仲も発展させようかと奨励会時代に色々考えたけど……。いつからだろうな、空さんがどうでもよくなったの。

『人として、敵意を振りまいて孤立する人と、面倒見の良い気配り上手。男女関係無く、どちらが人として接しやすいかは一目瞭然ですよね』
(ぶっちゃけ俺も鏡洲さんにはお世話になったし、出来ればプロ棋士になって欲しいと思うよ。そしてそれは、原作の空銀子の気持ちを知っていても、鏡洲さんの方に上がって欲しいな)
『その前に、天衣が奨励会に入ることで原作の三段リーグまでに椚と空が昇段出来るかという問題が発生していますよ?』
(両方、一期ぐらいプロ入りが遅れても問題無いだろ。どれだけチャンスがあると思ってるんだ。そんで、鏡洲さんが四段に上がってくれ)
『今季の成績も、かなり詳しくチェックしてますよね?』
(俺のせいで色々と変わったから、勝ち越し延長が出来なくなるかもしれないという不安に襲われているんだよ)

天衣が奨励会に入ることで、1番の原作改変が起こるのは奨励会にいる空さんと椚の成績だろう。下手すれば、2人とも原作通りの時期にプロにはなれないことだってあり得る。

だけど2人ともかなり余裕がある状態だし、俺は一瞬で奨励会を駆け抜けたんだけど、少なくとも強いというだけであそこまで敵は作ってなかった。

……最大の懸念は空さんの寿命だけど、まあ大丈夫なんじゃないの?あそこまで行って、九頭竜との死別は無いでしょ。

「……将棋星人って、どういう意味?」
「んー?それ、空さんのオリジナルワードだから気にしなくて良いんじゃない?
たぶん、俺のことだろうし」
「ああ、そういう意味ね。将棋がとびきり強い人、みたいなものかしら?」
「個人的には、あまり流行って欲しくないワードだな」

天衣は付き人の晶さんもいるし、最後まで送らなくても良いけど、時々は屋敷まで一緒に帰っている。というか天衣もあの呟きは、聞こえていたのか。……三段リーグの組み合わせが変わったら、空さんの覚醒フラグも圧し折れるのかな?

わざと圧し折るなんてことはしたくないけど、天衣が奨励会に入っただけで覚醒しなくなるなんてことは無いだろうし、昇段関係には目を瞑りながら、今は問題無いと思っておこうか。鏡洲さんは今季もかなり良い位置にいるし、どうせなら今季でプロ入りを決めてくれないかなぁ。

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