ハーメルン
《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜
第十三話
その日の夜から作戦は始まった。
リオンがダリルシェイド──時には人気がないところなど──を歩き回り、通り魔が襲ってくるように隙を見せている。
少し離れたところでエドワードは
時雨
(
しぐれ
)
とシャルティエを持ち、すぐに助けられるように待機していた。
しかし一晩中歩き回った成果は出ずに、朝方となってしまう。
「んー、今日はここまでかな」
『だな。まぁ初日からすぐに成果は出ないもんだ』
『坊っちゃんもやる気になっていますし、大丈夫ですよ!』
時雨
(
しぐれ
)
とシャルティエに励まされながら、リオンの後ろをついていきヒューゴ邸まで帰る。
「今日は何の収穫もなかったな」
「ふん、それなら明日またやるだけだ」
リオンがやる気になっているのは、マリアンから応援されているからだというのは全員分かっている。
このやる気さえ保てているのであれば、当分は大丈夫だと思っていた。
そして、各自家に帰って寝ることにした。
起きてからも修行は一時中断し、リオンと作戦会議をしている。
昼間でも被害者が出ているので、油断はできないが警備兵に巡回を強化してもらうことで少しでも被害を減らそうと頑張っていた。
そして……数日後の日の夜のことだった。
その日もいつもと同じように囮作戦を行なっていた。
しかしながら数日成果が出ていなかったことで、二人の中に油断が生まれていたのかもしれない。
「ブルゥァァァ! こんなところで一人で何をしているのかなぁぁぁ?」
「……出たか」
目の前に筋肉隆々の青色の長髪をした男が立っていた。
手には斧を持っており、明らかに残虐そうな見た目をしていた。
「よし! 出たみたいだな!いくぞ!!!」
エドワードがリオンのもとに走っていき、シャルティエを渡す。
その時、シャルティエと
時雨
(
しぐれ
)
が驚いたような声を出す。
『おいおいおい、何でお前がいるんだよ』
『……本当ですね。確か死んだはずでは?』
「お前らは
時雨
(
しぐれ
)
とシャルティエかぁぁ? とりあえず久しぶりと言っておこうかぁぁぁ!!」
「……何だ、お前らこいつと知り合いなのか?」
エドワードは
時雨
(
しぐれ
)
とシャルティエに質問するが、「ちょっとな……」としか返事が来なかった。
しかしエドワードは答えを期待していなかった。
通り魔の男がかなり強いと感じ、無駄話をしている余裕が無いのである。
「ふん……誰が相手だろうと、僕の前には敵はいない」
「ソーディアンを持った程度で強くなったと錯覚している程度では俺には勝てないぞぉぉ」
「……ちっ」
(てか何でこんなところにこいつがいるんだよ! いつの時代のかは分からないが……どちらにせよ……強敵だ)
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