ハーメルン
《完結》テイルズ オブ デスティニー〜七人目のソーディアンマスター〜
第十七話
飛行竜襲撃事件から少しの時間が経った。
依然として飛行竜、ソーディアン共に消息不明のままになっているが、王都ダリルシェイドは変わらぬ賑やかさであった。
それもそのはずだ。飛行竜襲撃に関しての発表は伏せられており、それは
通り魔
(
バルバトス
)
事件の騒ぎがようやく落ち着いてきたところで民へ無用な不安を募らせたくないという王国政府の考えでもあったのだ。
そんな中、セインガルド王へ一つの情報がもたらされる。
「報告します。遺跡盗掘などで指名手配者されていたルーティ・カトレットとマリー・エージェントが現れたということです」
「ふむ……それでは兵を派遣して捕まえ──」
「──お待ちください、陛下。今回はリオンに任せてみてはいかがでしょうか?」
ヒューゴがセインガルド国王の言葉を遮り、リオンに任せるように進言する。
その言葉にセインガルド国王も
訝
(
いぶか
)
しげな表情を見せる。
「……リオンにか? 盗掘者ごときに客員剣士など不要であろう」
「いえ、私独自の情報によるとルーティ・カトレットは
ソ
(
・
)
ー
(
・
)
デ
(
・
)
ィ
(
・
)
ア
(
・
)
ン
(
・
)
を持っているかもしれないのです」
ソーディアンを持っているかもしれないという情報に、セインガルド国王も動揺を隠せない。
「ソーディアンを!? ……ううむ、それではリオンに任せるが良いか」
「はっ。念のためエドワード・シュリンプにも同行させましょう」
「それでは……いや、良い。そちに任せる」
「はっ! 今の話を聞いていたな! 至急リオンとエドワードにこのことを伝えるのだ!」
セインガルド国王はヒューゴに任せると言い、その言葉を聞いたヒューゴは近くにいた兵士にリオンとエドワードの二人にこの話をするように指示を出すのであった。
◇◇◇◇◇◇
子供の頃、見上げるといつも彼女は優しく微笑んでくれた。
時が過ぎ、成長するにつれ、その笑顔を見上げる必要はなくなっていった。
ただ、同じ目線になるにはまだ少し足りなかった。
父は僕に無関心だった。
だから僕は早く父に頼らなくても生きていける大人になりたかった。
僕の望むものは、ただ二つ。
全ては……彼女と対等になるために──
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