エリン家のライ②
「なるほど。――どうやらあなたは真っ先に倒さなければならない敵のようだ」
「……えっ? 今の話のどこにイコさんを狙う要素あったん?」
「ひょっとして天然か?」水上は戦場には似つかない発想を浮かべるものの、まさか本当にその通りであったとはこの時は思いもしなかった。
「ほう。どうやら人を見る目は確かなようやな。味方やったら鍛えてやった所やったのに、惜しいわ」
「何かこっちは調子に乗っ取るし」
「息バッチリっすね!」
「たしかにこのノリの良さはイコさんと仲間やったら面白い関係になってそうやったのに残念ですわ」
ライの言葉に気をよくした生駒。
そんな彼に水上は呆れながら、南沢は軽い調子で、隠岐も軽く笑いながらそう口にして。
「こうやって、本気で銃を向けなあかんとはなぁ」
隠岐がイーグレットを構えたのを引き金に、全員が同時に戦闘態勢に移行した。
「茜ちゃん、どうやら相手は生駒さんたちに意識を向けているみたい。私たちは距離を取ってサポートしつつ、敵の不意を狙いましょう」
「わかりました!」
この隙に那須も後退し、機会を伺うように日浦へと指示を飛ばす。
生駒隊は那須隊よりも確かな実力を誇るチームだ。邪魔をしないように敵を撃破する術を探すため、那須は変化弾を起動する。
「一対六か。……仕方ない、覚悟を決めるか」
多対一というライにとってさらに厳しい局面になってしまったものの、ライは笑みを崩さなかった。
ここで生駒を逃せば、それが結果的に彼が守りたい主の危機へと繋がってしまうかもしれない。
ならば引き下がれない。ここが正念場だと、ライは蝶の盾を起動し、那須隊、生駒隊の合同部隊を迎え撃つのだった。
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