6話 ホラーゲーム配信
5月×日
何故急に登録者が増えたのか? 前後でやった私の配信がウケたとかではなく、先日柊先輩に提出した例のボイスを使った企画配信が要因らしい。こいついっつも人の力でばっか伸びてんな。
自分のボイスが流れるというのが気恥ずかしくて見てはいなかったが、そんなことになっていたとは。担当のマネージャーさんからは「ボイスの評判、売上共に上々ですよ!」とのお褒めの言葉を賜った。Vtuberをはじめてから人からボロカスに言われることも増えたが、同時に褒められることも増えたのが何より嬉しい。主に私の配信をいつも見てくれている100人前後の常連さんなのだが、別にそれが少ないなんて思わない。そりゃ他と比較すれば確かに数字としてみれば大したことはないのかもしれないが、私にとっては大きな数字で絶対に大切にしなくちゃならないものなのである。
とは言え、私が嫌いな人はもっと多い。毎回200人前後低評価は付くし、自身の配信を後から眺めて見て、こりゃ酷いと思ったときには自分で低評価をポチる。そもそも低評価が増えたからと言って、別に活動に支障をきたすわけでもないのだ。精々オススメ動画に表示されないだけで、何かしらペナルティがあるわけでもない。動画再生数には多少影響はあると言えなくもないが、私のチャンネルは未だに収益化は通っていないわけで……視聴回数だのなんだのは無縁。あんだーらいぶにおける低評価数ランキング1位という全然誇れない記録を持つ私が言うんだから間違いない。2位の柊先輩の『畳事件』の3倍、トリプルスコアである。ちなみに3位、4位も私である。なにこれひどい。
5月×日
ゲーム配信サイトにて300円で売っていたホラーゲームをやる。深夜のコンビニバイト中に起こる様々な恐怖――的なやつである。この出来で300円って凄いなぁ。技術の進歩ってほんと凄い。
「コンビニに限らず深夜で一人きりの職場って何か雰囲気違いますよね。私の場合ちょっとテンションおかしくなっちゃいますもん」
なんとなくわかる
あー、わかるわ
台風来た時みたいにちょっとテンション上がる
「オフィスのキャスター付きの椅子でカーリング始めたりとかするよね」
いや、それはねぇよ
流石にそこまではやらない
ねぇよ!
「えぇ……急に梯子外さないでよ。いやぁ見回りに来た警備員のおじさんに見つかったときはどうなることかと思った」
草
警備員のおっさんがびっくりだよ
パッと見奇行すぎる
警備員さんからしたらホラーだろ
どうなったんだよw
[9]前書き [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/7
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク