8話 突発コラボとクレカ天井
5月×日
何故か配信中のはずの柊先輩から通話が来た。
「えぇ……ナニコレ、出た方が良いの?」
今ガチャ配信しているはずなのだが、何故に通話を私にかける必要があるのか。そもそもガチャ配信のはずなのにどうして配信時間が2時間を超えているんだ……?
「もしもし……あの何ですか……?」
「た す け て」
「え? 何があったんですか。ただのガチャ配信ですよね」
こっそりブラウザを立ち上げて、柊先輩の配信を開く。同時視聴者数1万人とかなんだか末恐ろしい数字が下の方に出ていた。音量をミュートにしてコメント欄を覗いて何となく今の流れを察する。
神坂君すまねぇ
課金しすぎて壊れちゃった
お前の爆死で飯が旨い
あっ……(察し
「あのね……天井がね」
「ガチャ天井まで行っちゃったんですか? 9万とかでしたっけ大体のソシャゲの天井って」
「このゲームね、天井がね……ないの」
「うん?」
「ガチャの天井はないけどね、魔法のカードの限度額……天井は来ちゃったんだ」
「は?」
「クレカ天井、しちゃった」
「いや、あんた何やってんすか」
「何か反応冷たくないッ?!」
「いや、まだ5月も上旬なのに何でそうなっちゃうの……」
「パソコン買っちゃった☆(・ω<)」
「お、おぅ……」
ク レ カ 天 井
9万じゃ済まないんだよなぁ
二桁行くのは流石に不味い
そら神坂君もあんたって言うよ
「で、それがどうして私と通話する流れになるんです?」
「ひじょーに申し上げにくいのですが……今から10分ほど場を繋いでもらえないでしょうか」
「え?」
「今からコンビニダッシュしてマネーカード買ってくるので、時間稼ぎお願いしてもいいですかね……放置すると最近のAIさんだとBANされる恐れがあるのでぇー」
「えぇ……(ドン引き」
後輩ドン引きで草
草
そらドン引きしますわw
「画面共有はしとくんで、なんかこう上手い感じに時間稼いでもろて……」
「えぇ……(ドン引き」
「今度焼肉ご馳走するんでオナシャス」
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