122話 鬼ごっこ(雑談)
11月×日
柊先輩の3D配信を無事に終えて、始発で地元へ舞い戻った。収録終えて急げば終電には間に合ったかもしれないが、その後の打ち上げというか食事会でついつい長居しすぎてしまったのである。ビジネスホテルを取るのも面倒だったので、近間にあった漫画喫茶で一夜を明かした。
「えーっと、なにかな。これは……」
「フレンチトースト」
「今度お兄ちゃんと一緒に料理しよっか」
「うん……」
妹製作のフレンチトースト(仮)をもぐもぐしながらそんなやり取りをする。味があまりない。焦がして炭化とかしてないだけマシだと思う。でも愛情がこもっているせいか心は満たされていく。その脇でそわそわと落ち着きのない様子のマイシスター。可愛い。いや、食べられるからね。普通に。変にアレンジして食べられない代物にならないだけ偉いよ。
こういう調理ってようは『慣れ』が必要なんだと思う。可愛いフリフリのエプロンでも着せようかなぁ、ぐへへ。絶対に似合うよなあ。写真も撮らなくちゃだし。配信とかでやれたら盛り上がれそうなんだけれども、何分視聴者さんには何一つとして伝わらないもんなぁ。
適宜写真を見せていくとかするにしても、反射での映り込みやら何やらに気を遣う必要があるわけで。以前『Cookie Cooker』プレイしながら実際にクッキーを作る、なんて配信をしていた私が言っても説得力皆無か。あんだーらいぶメンバーでスタジオから料理系の企画やれたらいいね、みたいな話を以前していたりもするのでいつかは実現したいものである。
もっとも女性陣が絡むと私、後は御影君もかな? 両名は漏れなく小火騒ぎになりそうなんだけれども。女性VTuberの手料理を食べた、なんて事になったらそれこそえらいことである。作るだけとかそういう方面で何とかファンの皆様にはお目溢しいただきたいものである。
「――というわけでマイシスターにエプロンプレゼントしようと思うんですよね」
きっしょ
そういうのはちょっと、ね
どういうエプロンが好み?
「世界一可愛い雫ちゃんには大体何でも似合うけど、フリル付きの奴がお約束っぽくてよくない? ああ言うのってどこに売ってるんだろう? 生地買って作ればいいの?」
愛が重い、愛が
百貨店やデパートとかにあるんちゃう?
もうド○キでメイド服でもこうてくれば?
「メイド服いいですね。私が頂いた衣装が執事服だったので、それに併せてメイド服って言うのは良くないですか?」
着ないよ!<雫>
雫ちゃん!?
メイド服あくしろよ
雫ちゃん草
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/10
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク