ハーメルン
アラサーがVTuberになった話。
126話  ASMR配信2

11月×日

 さて、11月のいよいよ終わりを迎えようかという日に私は事務所の設備を借りてASMR配信をやっていた。開始から30分程経ったところである。只今の同時視聴者数は1200人。開始時から比べると約5から6倍といったところか。やはりこういう方が需要があるってことだな。事前にリサーチした甲斐があったというものだ。少し予定より押してしまっている。不用とは言われてはいたが、一応会社の備品――でもないのか、社長の私物だし……とは言え場所自体はここのスペースを借りているので、事前にタイムテーブルは事務所側に提出済。前半はこうしたネタ的な要素にして、後半は普通にお喋りをする感じの構成を予定していた。それなりに余裕を持って時間を取ったつもりだが、計画通りには行かないものだなぁ。最初1時間の枠予定だったが、窓辺さんに言われて時間延長したのは正解だったか。

 あわよくば前半のこっちの方の配信で新規さんを引き込みつつ、後半で既存ファンの方たちに向けた配信と言う思惑はあるが……上手く行くのやらどうやら。少なくとも現時点では思いの外上手く行っているので内心とてもビックリしている。このまま私喋らない方が一般的に需要があるんじゃ……? その方向性でやろうとしてたら窓辺さんに真顔で「は?(威圧感)」って言われたのはここだけの話。年下のマネージャーさんに言われて不甲斐ないアラサーを許して下さい。

つぎいきます<神坂 怜>

もう何来ても驚かない

耳かきでもすりゅの?

耳舐めマダー?<アーレンス>

は? 耳ふーふーからだろ、jk<酢昆布>


 ただ、人気動画を真似るだけでは面白みというか二番煎じ感が否めない。そこで幾つか思案してきた。段ボールから取り出したのは、竹カゴと小豆。察しの良い人ならばもう分かると思うが、有名な『擬音』というやつである。映画や舞台において本来とは別の物を用いて、再現される効果音。特に現物の音声を用意するのが大変だったりするときに用いられる。これはその中でも特に有名なもののひとつ。竹かごの中に小豆を入れて、それをゆっくりと揺らしてみると――

波の音や

急に自然ヒーリング音配信始まった件

ど、どういうことだってばよ?

籠に小豆入れて揺らすと波の音っぽくなるんですよ!<神坂 怜>

あー、聞いたことある

昔テレビで見た気がするわ

擬音やんけぇ!<アーレンス>


[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/16

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析