第006話:Mars「に」Attacks!
[千草]
チャンスは一度きり……。往路はダメや……。帰路の、お嬢様方が疲れてハワイから日本に帰って来た、そのときだけ……!その帰りの駅の混雑が、狙い目や!麻帆良に入る前に、全てを決めるんや!
「千草姉ちゃん、ほんまにやるんかー?」
「黙ーらっしゃい!!小太郎、アンタもきちんと働いてもらうで!?高い金払うたんやから!アンタは追手を足止めしたら、適当なところで離脱すればええから!」
「へーい。けどまあ、追手ちゅーても、西洋魔術師やろ?格闘戦できるやつ、おるやろか。あ、いや……。誘拐すんのは女やろ?護衛も女ちゃうんか?……女は殴りたくないんやけど。」
……このクソガキ。ふん、けどアンタ言いくるめるのなんか、簡単やわ!
「ほー、するってぇとアンタ敵と戦うの、女の月詠ハンにまかせっきりで、高見の見物かいな?そらたいした男ハンやなあ?」
「ぐ……!ちくしょ、わかっとるわ!やるときゃ、やるわい!」
「え~?別にウチに任せてくれても、よろしゅおすぇ~?」
「やるったら、やるわい!」
ハ!何が男のプライドや!んなもん、犬にでも食わせてしまえばよろしゅおす!って、小太郎は狗族のハーフやったわ……。
「……戻ったよ。」
「新入りか?日程は以前調べたとおりで、よろしゅおすか?」
「ああ。あと1週間後、来週の月曜日にハワイはホノルルに向けて出立。更に5日目の金曜日に帰国。金曜日の17時25分に羽田着だよ。」
「ククク、お嬢様にとっては最後のご友人達とのご旅行やわ。ゆっくり楽しんで来てもらいましょ。」
「……。」
この新入りも、よう分からんやっちゃ。何が目的で、ウチらに協力しとるんかいな。まあ、イスタンブールからの研修生らしいけど。西洋魔術師やし、心許したらあかんわな。そやけど逆に言えば、奴ら東の連中の手札に一番詳しいんは、こいつや。注意は怠れへんけど、でもたっぷり役立ってもらわなあかん。
まっとれや……。かならず東の西洋魔術師ども、けちょんけちょんにしたるさかいな……。
[タカミチ]
僕もエヴァも、唖然とした顔しかできない。僕らはエヴァの家で、ネギ君から彼の「魔法世界住人救済計画」を聞かされたところだ。何と言うか、物凄く凄い。何が凄いって、とんでもない力技だと言うところだ。
しかも必要な魔法式のプログラムも、エヴァが読んで見たところちゃんとコーディングできているそうだ。と言うかネギ君によれば、デバッグも既に終了してコンパイル中だとの事だ。なんでも速度が必要で容量を削らねばならない部分は、ニーモニック表記でガリガリ書いてアセンブルしたとか言っていたが、僕は呪文詠唱ができないからなあ……。呪文構築の理論はさっぱりだ。
ちなみに協力も邪魔もしないが聞くだけは聞く、と言っていたエヴァは、ネギ君が書いた魔法式のプログラムリストを必死になって読み込んでいる。
「……ネギ。お前はこの呪文を、本当に実行するつもりか?」
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