ラップランド誕生日記念話~あるカップルの誕生日の過ごし方~
「んっ………」
「…………」
ヤマトは困惑していた。
というのも、彼の目の前にはテキサスがよく食べているポッ○ーなるお菓子を1本の端っこをくわえて目を閉じている寝巻き姿の恋人がいるからだ。
ヤマトは天然で世間知らずな面がある。しかし、どんなに分からない場面でもは必死に考えるという行動だけは今までしなかったことはあまりなかった。
そのため、今も困惑しつつも必死に考えていた。
(えーと、まず朝から思い返そう)
ヤマトはまずこうなるまでの今日の一日の流れを思い返した。
まず、起きてそうそう何故か自分のベッドの中にいつの間にか潜り込んで丸くなって寝ていた恋人であるラップランドを起こし、食堂で一緒に朝食を食べた。午前中は貿易所でテキサスとラップランドと一緒に注文の整理と金塊の納品を行い、昼食は珍しくたまたま鉢合わせたフロストリーフ、リーシー、チェンと一緒に食べ(無論ラップランドもいたが圧が凄かった)、午後はヘラグと模擬戦をしていた。
…最も、それを見て戦闘欲が我慢できなくなったラップランド、そして某サザエなアニメに出てくるメガネの少年のように「模擬戦しようぜ」とやってきたエンカクともやる羽目になったのだが。
閑話休題。
その後は厨房を少しだけ借りてラップランドの誕生日を祝うための料理を作り、そしてそれを自分の部屋で二人で食べ、自作の誕生日ケーキも一緒に食べて彼女がお風呂から出たあとに入って、出たら「ちょっとやりたいことあるんだけどいい?」と言われ、少し待つと先程の状況になっていた。
(うん、さっぱり分からない)
思い返してみたがやはりなぜこんな状況になったのかが分からなかった。いや、正確に言えばラップランドが何をして欲しいのかご分からない。
「……」
ふとヤマトは視線を未だにお菓子を咥えているラップランドに目線を向けた。ラップランドの顔はよく見ると仄かに紅潮しており軽く震えている。
(かわいい)
「…ヤマト、いつまで焦らすんだい?」
ヤマトが脳死したような感想を持ち始めた中、ラップランドはなんのアクションもしてこないヤマトに声をかけた。
ヤマトは何も悪いことはしてないのに体を大きく震わせ、それを見たラップランドは怪訝そうな顔で見て、その後ニヤッと意地悪そうな笑みを浮かべた。
「もしかして、ボクに見とれてた?」
「?うん。かわいいなぁって思って…」
「っ……」
ラップランド、ヤマトをからかおうとするもあえなく撃沈。因みにヤマトは何も考えずに答えており、この返しも「実際にかわいいと思って見てたから」と理由の元で出てきている。
しかし、ラップランドもそこで終わらずゴホンと軽く咳払いして自分を落ち着かせつつ、本題を持ち出し始めた。
「それで、なんで○ッキー食べなかったんだい?」
「え?」
「え?」
ラップランドはここであることに気がついた。
正直、意外と有名なあのゲームを知らないとは思えないが、どこか抜けているヤマトのことなので知らない可能性は否定できない。そのため、ラップランドは念の為ヤマトに質問を投げかけた。
「ヤマト、ポ○キーゲームって知ってる?」
「?いや、はじめて聞いたかな…」
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