ハーメルン
ロドス劇場
YAMATO'S キッチン


「確かに…大根おろしとポン酢ってハンバーグに合うんだね…」

「ええ…僕もこれは初めて知りました」

そして、食欲が刺激されていたせいもあってか彼らはハンバーグをすぐに平らげた。カーディとアドナキエルに至ってはお代わりをヤマトに要求したほどだ。

「「「「「「「ご馳走様でした」」」」」」」」

「皆、ちょっと聞きたいことあるんだけどいい?」

全員が食べ終え、一息ついている所にグムが声を上げ、それにテキサスを除いた5人がグムに視線を向けた。
ヤマトはそれを見て、ついに評価を下されるのかと身を強ばらせる。
そんなヤマトを無視して、グムは言葉を続ける。

「また、ヤマトが作った料理食べたいと思う?」

グムの問いかけに、5人は黙って顔を見合せた。ヤマトはそれを見て、やっぱり自分が作ったものはダメなのだろうか、と先程彼らが言葉にしていたことを忘れそう思った時。

「僕はまた食べてみたいな。作り方も丁寧だったしね」

「ええ、私も同意見です」

「俺も、ヤマトが作ったものをまた食べてみたいかな!」

「私も!食べててなんか、グムちゃんが作ってくれたものみたいに優しい味がしたし!」

「わ、私も……また食べてみたいです……」

「………!!」

行動予備隊A4のメンバーが出した言葉に、ヤマトは驚きのあまり目を見開き、同時に体のうちが温かくなるような感覚と目が熱くなるような感覚に襲われた。


「え!?ちょ、や、ヤマト!?」

「え、え???」

「だ、大丈夫!?なんか酷いこと言った!?」

(……!?)

周りのものは、突然涙を流し始めたヤマトにテキサスも含め全員がオロオロと狼狽える中、ヤマトは視界がぼやけながらもただ思ったことを口に出した。

「皆…ありがとう……」

「「「「「!?」」」」」

メランサ達は、ヤマトが涙を流しながらも穏やかで柔和な笑顔を浮かべたことに驚いたが、同時に自分らが何か不快なことをした訳では無いとわかってホッとし、それを見届けたテキサスはハンカチをそっとヤマトに手渡すのだった。

後日、ヤマトは正式に食堂を回す人物の一人として動くことが決定したのに加えて、行動予備隊A4のメンバーとも交流し始めたという、その結果にドクターは顔を綻ばせた


「そういえば、なんで今までロドスにはハンバーグ定食のソースに大根おろしとポン酢無かったんだ?」

「えーとね、人手がね…?」

「なるほど…けど俺が入ったから今日から解禁ってことか」

なお、ロドスのハンバーグ定食の選べるソースの中に大根おろし+ポン酢が加わったとか。

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