ハーメルン
銀子ちゃんを可愛い可愛い×5するだけの話(+短編集)
3. 夢の話
今、俺の前には銀子ちゃんが居る。
それも一人じゃない。贅沢にもたっぷり四人分、四人の銀子ちゃんがここに居る。
「……なんだか大変な事になったわね」
そう呟くのは銀子ちゃん。白のセーラー服を着た高校生の銀子ちゃん。
先日見事四段に昇段を果たして、世界初の女性プロ棋士となった銀子ちゃん。
可愛い可愛いこの子は何を隠そうこの俺、九頭竜八一の彼女、そしてお嫁さん(予定)だ。
「ていうか訳分かんないんだけど。なんで私が四人もいるのよ」
そう呟くのは銀子ちゃん。黒のセーラー服を着ている中学生の銀子ちゃん。
俺がつい見間違えてしまった通り、その容姿はぱっと見高校生の銀子ちゃんとよく似ている。
けれども確かな違いが、高校生よりは確かに幼い、そんなとても可愛い銀子ちゃんだ。
「小さい私に大きい私……八一まで大きくなっちゃってるし……」
そう呟くのは銀子ちゃん。制服ではなく私服を着ている小学生の銀子ちゃん。
つまりロリ銀子ちゃんだ。ロリロリな銀子ちゃん、その存在はもはや犯罪的と言える。
こんなの言うまでも無い事なのだが、ヤバいぐらいに可愛い銀子ちゃんだ。
「ばか」
そう呟くのは銀子ちゃん。俺の目に焼き付いているあの日と同じ姿の幼女な銀子ちゃん。
それはもう奇跡の存在、おねむから目覚めたばかりでちょっと不機嫌そうな所も可愛い。
身長は俺の半分位しか無い。もはや問答無用で可愛い。尚この頃から口の悪さは健在である。
……とまぁこんな感じで。
今、俺の前にはそれぞれ年代の異なる四人の銀子ちゃんが勢揃いしている。
なんと壮観な光景だろう。この場にいるだけで銀子ちゃん成分がモリモリ吸収出来る。
こんな楽園がこの世のものだとは思えない。
つまりここは天国だ。俺は知らない内に天国に辿り着いてしまったらしい。なんてこった。
「えーっと、それじゃまずは将棋の神様に挨拶してこないとね。名人は何処かなーっと」
「は? 将棋の神様?」
「どうしてここで名人が出てくるのよ」
「八一、ただでさえ訳分からない状況なのに訳わからない事を言わないで」
上から順番に小、中、高と、それぞれの銀子ちゃんにツッコまれる。
「ばかやいち」
そして幼女銀子ちゃんまで。というかこの子さっきからばかとしか言ってないな?
とはいえ確かに。確かにこれ以上訳の分からない事を言っていてもしょうがない。
脇道に逸れるのは止めて、そろそろ本題に入らなくてはならないだろう。
「……そうだね、とりあえず銀子ちゃん──」
と口にした途端、都合四人分の「何?」との声がハモリで返ってきた。
ちなみに幼女銀子ちゃんだけは「なに?」と舌っ足らずな喋り方だ。とてもラブリーである。
けど、ううむ……全員銀子ちゃんだから『銀子ちゃん』って呼ぶとそうなっちゃうよね……。
しかしこれではそれぞれの名前が呼び辛い。まずは呼び方を改める必要があるだろう。
ここに居る四人の銀子ちゃんそれぞれの違いと言えば年齢だけ。だとするとここは──
「ええと……『銀子ちゃん』って呼ぶと分かりづらくなっちゃうからさ……
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