ハーメルン
銀子ちゃんを可愛い可愛い×5するだけの話(+短編集)
1. 出会いの話
……うーん。正直この眼付きもというか、今日の銀子ちゃんはいつもの銀子ちゃんと比べて、少しツンツン度が増しているような気がする。さっきの暴れっぷりがその証拠だ。
というかちょっとだけ、本当にちょっとだけだが座っている状態の頭の位置が低いような。
というかぶっちゃけた話……ちょっとだけだがその顔付きが……幼く、みえる? ような?
「八一」
とその時、後ろから
銀
(
・
)
子
(
・
)
ち
(
・
)
ゃ
(
・
)
ん
(
・
)
の声が聞こえた。
「ん?」
俺は自然に振り返って。
すると背後に居たのは──
「ぎ、銀子ちゃん!?」
そう、そこに居たのは我が姉弟子。というか俺の彼女、可愛い可愛い空銀子ちゃんだ。
まぁ銀子ちゃんの声が聞こえたと言っている以上銀子ちゃんが居るに決まっているのだが、しかしよく考えなくてもこれはおかしい。
だってそれは俺の目の前にも。
こうして抱き締めているこの腕の中にも
銀
(
・
)
子
(
・
)
ち
(
・
)
ゃ
(
・
)
ん
(
・
)
が居る訳で……。
「ぎ、ぎ、銀子ちゃんが二人居る!?」
衝撃のあまり俺は叫んだ。
いやそりゃ叫ぶわ。だって同じ人間が二人も居るだよ!?
前にも後ろにも同じく銀子ちゃんがいる。なんだこれ怪奇現象か!?
「ど、どど、どういう事!? どういう事なんだ!? なんで銀子ちゃんが二人も!?」
「……それは私が聞きたいんだけど。どうしてここに私が居るわけ? てか何抱き付いてんの?」
「……え、なんで私がもう一人……」
どうやら状況に混乱しているのは皆同じらしく、俺の言葉に戸惑い気味に返す銀子ちゃん。
そして背後を振り返って、もう一人自分が居る事に気付いたもう一人の銀子ちゃん。ああもう、どっちも銀子ちゃんだから説明し辛い!
と、とりあえず……とりあえず、なんか怖い事になりそうな気がしたから目の前に居る銀子ちゃんに抱きつくのは止めにして、俺は混乱中の頭をどうにか巡らせてみる。
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