ハーメルン
パナケイアダンガンロンパ
自己紹介

「ドーナツ、美味しかったですね〜!」
お目当てのドーナツを食べ、小腹も満たされた私は満足気に言う。
「そうだな。でもいいのか?俺が貰って…。」
「良いんですよ〜!1人で食べるなんて寂しすぎるじゃないですか!共犯です♪」

私達は手掛かりを探して教室を出た。振り返ると教室Aと書いてある。やはり此処はどこかの学校なのだろうか。
「…とりあえず此方に進んでみないか?」
楼さんが角を曲がった先を指す。
私は頷いた。

進む先は食堂のような場所だった。長いテーブルが並べられている。それだけではない。そこには人影があった。
「あ、あなたは…。」
私は恐る恐る声をかけた。後ろを向いていたその人はビックリしたように此方を振り返る。

「…驚きました。君達ももしかして閉じ込められている人ですか?」
「え?」
「君達もって……お前も?」
茶髪を少し無造作に下の方で束ね、濃い紫色の瞳をパチクリさせ彼女は言った。

「はい、目覚めたら此処にいたんです。少し歩き回ってみましたが、他にもまだいるみたいですね。」
「私達だけじゃないんですね〜?」
「しかも、砂切さんがこれまで会った人達は全員超高校級の称号を持ってるんです。」

“超高校級”
少女が言うそれは、何かしらの才能を持った高校生に政府から貰える称号だ。才能も人によってまちまちで、何人いるのだとか、何が基準なのかなどは知らない。

「名前は砂切ひなの(サギリヒナノ)です。超高校級の新聞記者なのです。」
「私は糸針緋巴銉、超高校級の人形師です…!」
「俺は菊地原楼、葬儀屋だ。」

ひなのさんは新聞記者らしい。どうりで目覚めたばかりだと言うのに情報収集がうまいわけだ。きっと新聞記者の血が騒ぐのだろう。

「ふわぁ…砂切さん眠くなってきたので少しここでお休みします。君達もまた人を探してみるといいですよ…。やる事ないですし。」
どうやら、相当マイペースな子らしい。ひなのさんはあくびをすると私達に背を向け、近くにあった椅子に座った。

「おやすみなさい…!ありがとうございました〜!」
私は彼女とも仲良くなれることを願い、礼を言う。そして食堂を後にした。

「楼さん、葬儀屋だったんですね〜!とても素晴らしいお仕事ですね…!」
「…ありがとな。お前は人形師か…。…らしいな。」
「ふふ、嬉しいです♪」

「あー!人がいるの!」
幼い少女の声。

振り返るとそこには青いセーラー服に身を包んだ小さな子。
「わぁ、はじめまして!あなたも此処に閉じ込められた超高校級の高校生ですか〜?」
「そうなの〜!海老塚志々水(エビヅカシジミ)!超高校級の海洋生物学者なの〜!」

「海洋生物学者…海の生き物に詳しいんですね〜!」
「えっへん!海のお友だちの事ならなんでもきいてほしいの!お話だってできるんだよ!」

自己紹介を互いにし合うと思い出したかの様に志々水さんが言った。
「そうだっ!他にも人がいるの〜?」
「はい、そうみたいです!」
「食堂に1人いるからな。丁度そこの道をまっすぐだ。1人で大丈夫か?」

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