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△○月○○日
夜に本を読んでいると妹ちゃんがやって来た。
部屋に転がっていた水鉄砲のことを聞いてきたので何個か上げた。
妹ちゃんは最近イタズラにはまっているようで、
俺に色々相談してくる。
被害者は大体お姉さんだとさ。
△○月○×日
神社に行くと裏の池にうごめくものがいた。
何だろうと見に行くと、大きな亀が甲羅に付いた藻を取ろうと苦戦しているところだった。
見られていることに気づいた亀が俺に甲羅の掃除を頼んできたので、
ブラシを使って甲羅を磨いてあげた。
しかし足がヒレの亀がこんな内陸にいるとは不思議なものだ。
池まで戻るのも難しかろうと思って持ち上げようとしたら、
亀から大丈夫だと断られてしまった。
大丈夫なのだろうかと見守っていると、亀が浮き始めて空を泳ぎ始めた。
なるほど海亀ならぬ空亀と言ったところか。
亀はお礼をいって池に戻っていった。
△○月○△日
『我が信徒よ。新しい能力を作ったのじゃ。試すが良い。』
神様がそんなことを言う。
新しい能力は体調を整えるものらしく、これは俺が持っていた気絶リスポーン能力の気絶したら
怪我や病気が治っている部分から抜き出したらしい。
とりあえず日課の最中に疲れた時に使ったら疲れが吹っ飛んだ。
こりゃ便利だ。
△○月○□日
いつもお世話になっている婆さんにマッサージをしていると、
ふと自分以外の体調を整えることができるのか気になって使ってみた。
するとマッサージが終わるや否や、
婆さんがすっと立ち上がって体の調子を確かめ始めた。
効果覿面だったらしく杖を突かずに動き始めた婆さんは、
俺にちょっと待ってといって外に飛び出していった。
なんだろうと思っていると、ガヤガヤと騒がしくなってきた。
気になって外を見たら里の爺と婆が集まっていた。
なんか順番決めをしているようで、
最初に入ってきた里長に聞いてみると、
神の手がどうのこうの言っていた。
集まった爺婆全員の体調を整え、マッサージを施すとすっかり夜になってしまった。
今日分かったことは体調を整える能力はマッサージとの相乗効果があるということだ。
△○月○☆日
神社に行くと池の傍に亀さんがいた。
何をしているのかと聞くと甲羅干しだそうだ。
確かに日光浴には丁度良い天気だ。
ふと動物にも体調を整える能力は効果があるのかと思い使ってみる。
使ったら亀さんがこちらを見てきたので体調はどうだと聞いてみる。
とてもいいそうだ。
お礼に背に乗せて飛んでくれるそうだ。
亀さんの甲羅は広く思ったよりも乗り心地は悪くない。
そのまま暫し飛んでいると神社の裏の森から地響きと破裂音が聞こえた。
そっちを見ると弾幕が飛び交っている。
妖精がやっているような緩い弾幕ではなく、
強者が放つ恐ろしいまでの速度と密度の弾幕だ。
俺の目では全く見えないが亀さんは見えるらしく、実況してくれる。
遣り合っているのは巫女さんと小鬼で、
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