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×○月○×日
秋が来た。
秋が来たということは、稲刈りをしなければならないということだ。
里が総出になって作業を行うので、普段あまり絡みの無い人が大勢いる。
あれこんな人いたっけ?ということもままある。
狭い里なのに不思議なことだ。
大体は外から流れてきた人で、普段はひっそりと暮らしており、
人手が必要なこの時期にかり出されることがある。
だから隣で周りをキョロキョロしてる人もそうなのだろうな。
どうも!赤い髪がチャーミングですね!
稲刈りははじめてですか?
へえ同じ長屋の人に言われて参加したけど勝手が分からないと、
じゃああそこで偉そうに指示出してるおばちゃんに聞くといいよ!
他にもウロウロしていた新人を熟練に任せてひたすら稲を刈る。
うやうやしく頭を垂れる稲穂は豊穣の証!
ご近所さんと今年も秋祭りが楽しみですなと話しながら稲を刈り続ける。
里の田んぼの大きさは200反(1反=1000㎡くらい)ほどで、
今年の収穫は800石くらいだそうだ。
貸本屋で借りた本では1反あたり1石の収穫が普通らしいのだが、
豊穣神パワーとやらで4倍の収穫となっております。
豊穣神ってすげえな。
そら毎年祭りが開かれるわけだぜ。
×○月○△日
昨日刈った稲穂をひたすら干していく。
刈った稲穂は木を組んで作った稲木に掛けて天日干し、
乾燥したら脱穀だがそれは女衆の仕事なので、
今度は別の畑の収穫だ。
秋に収穫するものは多いのだ。
×○月×○日
収穫が終わったら長屋の近くに小屋が建っていた。
中を見ると何も入っていない。
何だろうと思ってご近所さんに聞いたら、
俺の部屋に山積みにされている木材用の薪小屋らしい。
ぼやを起こされても敵わないからねというお言葉を頂いた。
あと薪小屋に置いた木は長屋の共有財産ということで、
他の人も使うそうだ。
まあ正直消費が追いつかなくて困ってたから逆に助かるな。
×○月××日
何度目かの紅魔館に到着。
いつも通り門番さんに挨拶して中に入る。
魔女さんと小悪魔ちゃんにもご挨拶してから、
図書館で借りていた本を返して新しい本を探す。
何を借りようかと館内を練り歩いていると、
何かが壊れる音が聞こえた。
野次馬根性で現場に行くと、
マリちゃんが魔女さんと弾幕勝負していた。
窓が開放感に溢れているのを見ると、
マリちゃんが窓を突き破って進入してきたのを、
怒った魔女さんが懲らしめるべく弾幕勝負に移行したのだろう。
しばらく眺めていると魔女さんの持病による時間切れで終了した。
病んでさえいなければという捨て台詞を吐く魔女さんと、
病んで無くても余裕だぜという大口を吐くマリちゃん。
感想戦を兼ねたお茶会をしていると妹ちゃんがやって来て、
妹ちゃんとマリちゃんの弾幕勝負が始まった。
爆発音をBGMに魔女さんと雑談を楽しむ。
前に借りた本の感想や、マリちゃんが迷惑を掛けていること、
読んだことを忘れて同じ本を読んでしまったことなんかを話した。
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