ハーメルン
新サクラ大戦・光
チャプター7『デートだよ』

チャプター7『デートだよ』










明くる日………

改修の終わった舞台の上に、さくら・初穂・アナスタシアの姿が在った。

「ああ、遂に貴方に口付けた。唇は苦いわ………コレが恋の味なのね」

「「…………」」

アナスタシアの演技に圧倒され、言葉の出ないさくらと初穂。

「凄ぇ………コレが超一流の演技か。何だよもう………鳥肌立ってくるぜ!」

初穂が、やっとの事で絞り出す様にそう言った。

「動きが、指先まで(すっご)くキレイ………(わたし)も、もっともっと頑張らなくちゃ」

さくらも感銘を受け、初穂と顔を見合わせながら決意を新たにする。

「おはよう。朝早くから、舞台の稽古かい?」

『熱心だな』

と其処へ、誠十郎(+ゼロ)が姿を見せる。

「よお!」

「お早うございます、隊長」

初穂とさくらが挨拶を返していると、アナスタシアは舞台袖に移動し、其処で演技の稽古を続ける。

「如何だい? アナスタシアの演技は?」

「如何もこうも無ぇよ! ホントに凄いぜ」

(わたし)も、あんな演技が出来る様になりたいです」

誠十郎の問いに、初穂とさくらは興奮を隠し切れない様子でそう答える。

「アナスタシアさんに教えて貰えれば嬉しいんですけど………」

「昨日、ちょっとだけ見て貰ったけどさ。本格的に指導して貰いたいんだ。何とかならねぇか?隊長!」

「なら、アナスタシアに頼んでみるか。おーい、アナスタシア」

初穂にそう訴え掛けられ、誠十郎は舞台袖で演技稽古を続けていたアナスタシアを呼ぶ。

「何かしら?キャプテン」

「お願いが有るんだ。彼女達にも、君の演技を教えて貰えないか? 教師役をお願いするのは、ちょっと心苦しいところも有るんだけど………」

アナスタシアがやって来ると、誠十郎はそう頼み込む。

「其れは………」

「やっぱり、駄目かい?」

「お願いします! (わたし)達も、アナスタシアさんみたいになりたいんです!」

渋る様子を見せたアナスタシアに、誠十郎は表情を曇らせるが、其処でさくらが腰を折って一礼しながらそう言う。

「………其れは無理ね。貴女達は、()()()()()()()()()わ」

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