チャプター4『大帝国劇場』
チャプター4『大帝国劇場』
帝劇・支配人室………
再度支配人室へと戻った誠十郎とすみれの許に、無断出撃の件でカオルがさくらを連れて来ていた。
「天宮さん。ジッとしていられないという気持ちは良く分かりますけど、勝手に出撃した事は許せませんわよ」
「ハイ………御免なさい」
支配人席に腰掛けるすみれから叱られ、しゅんとなってしまうさくら。
(………さくらちゃん)
そんなさくらの隣に立つ誠十郎は心配そうな眼差しを送るが、無断出撃した事は事実なので庇う様な真似は出来ない。
「………まあ、今回は無事で済んだ様ですし、大目に見ますわ」
しかし其処で、すみれはフッと微笑んでそう行った。
「! ホントですか!? ありがとうございますっ!!」
途端に、さくらは花が咲いた様に笑い、すみれにお礼を言う。
「但し! 当然ですが、次は有りませんわよ」
「! ハ、ハイ~」
しかし、直ぐに釘を刺されて冷や汗を流す。
「またあの巨人………ウルトラマンゼロが助けてくれるとは限らないんですからね」
「ウルトラマンゼロ………」
とすみれの言葉に、さくらは自分を助けてくれたゼロの事を思い出す。
「現在のところ、ウルトラマンゼロと名乗ったあの巨人が敵か味方かはハッキリしません。今回の事も、偶々利害が一致しただけ、かと………」
「其れについては大丈夫ですわ。彼は私達の味方よ」
カオルが懸念する様に口を挟んだが、すみれによって遮られた。
「すみれ様? しかし………」
「私の判断が信じられないかしら?」
「! い、いえ! そんな事は!! 失礼しました………」
すみれを慕っているカオルにとって、こう言われれば言い返す事は出来ない。
「すみれさんの言う通りですよ! きっとウルトラマンゼロさんは私達の味方ですよ!!」
ゼロによって助けられたさくらは、既にゼロの事を全面的に信頼している様だ。
『へっ、嬉しいこと言ってくれるじゃねえか』
(さくらちゃんらしいな………)
ゼロがそう言うと、誠十郎も優しい眼差しをさくらに向ける。
「さて………では、神山くん。改めて、帝国華撃団・花組の隊長としての職務を知って貰うわね。カオルさん、後はよろしくね」
「はっ、畏まりました」
其処ですみれは、誠十郎に改めて花組隊長の職務を申し渡す。
「ハッ! 了解しました!」
「えっ!? 隊長っ!? 誠兄さんが………花組の隊長に!?」
誠十郎が敬礼を返す横で、さくらは驚いた様子を露わにして誠十郎を見遣る。
「天宮さん。その件については後にして貰いますわ」
「あ、ハイ………」
しかし、今は誠十郎に職務を伝える事が先の為、すみれが押し留める。
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