チャプター5『真の世界華撃団構想』
チャプター5『真の世界華撃団構想』
一旦さくらと別れた誠十郎(+ゼロ)は、1人で帝劇内を見て回った。
舞台裏、音楽室、衣裳部屋、楽屋、食堂、2階客席、サロン………
途中、経理室でカオルのすみれへの賛辞を聞いたり、中庭で初穂が管理している巨大な霊子水晶を発見したり………
こまちの売店でコッソリとさくらのブロマイドを購入したり、さくらの部屋を訪れて昔話に花を咲かせたりした。
そして、最後に………
さくらに言われていた資料室を訪れようとしていた。
帝劇・資料室前………
「此処が資料室か」
「神山隊長!」
資料室に入ろうとしていた誠十郎の前に、再びさくらが姿を見せる。
「一緒に行きましょう。きっと、中に居ますから」
「ああ、ありがとう」
『さて、どんな奴が出て来るか………?』
さくらと共に資料室に入る誠十郎と内心ワクワクしているゼロ。
そして資料室に入った3人の目に入って来たのは………
大量の本を収納した本棚が並ぶ部屋の中に、一脚だけ用意されていた椅子と机に着き、熱心に読書をしている金髪の女性が居た。
「…………」
金髪の女性は、誠十郎達が入って来た事にも気付いていない様子で、読書を続けている。
「やっぱりいましたね。隊長、あの娘がクラリスです」
小声で誠十郎にそう言うさくら。
「…………」
金髪の女性………『クラリッサ・スノーフレイク』、通称『クラリス』は相変わらず読書を続けている。
「熱心に本を読んでて………何だか、声を掛け辛いな」
「声を掛けてもムダです。ああなったクラリスは、何をしても返事をしてくれないんですよ」
「へえ、何をしても………一寸試してみるか?」
其れを聞いた誠十郎は、やや悪い顔をしてそう言う。
「こういう時は、目隠しだな。流石に気が付くだろう」
コッソリとクラリスの背後へと回る誠十郎。
「クーラリースくんっ! えいっ!!」
そしてクラリスの目を自分の手で覆う。
「…………」
しかし、クラリスは直ぐ様その手を払い除けた。
しかも、誠十郎に気付いた様子は無く、読書を続けている。
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