ハーメルン
雛森「シロちゃんに『雛森ィィィィ!』と叫ばせたいだけの人生だった…」
序章ィィィィ!

 





「……あん?」

 死んで気付いたら暗闇の中、佇む古風な関所らしき門の前にいた件について。

 前後には数列に並ぶ着物、小袖と言うのだろうか? そんな時代錯誤な服を着た人々の集団がぞろぞろ門へ向かい進んでいく。どうやら俺もその一人らしい。

 どっかで見たなとデジャブが頭を掠め門を注視すると、そこには黒い袴姿の武士が──ってちょっと待って死神やんけBLEACH転生かよ最高じゃんヒャッホィ! 

 一瞬で状況を把握した俺は、俯き進む死者たちの列の中一人ニッコニコで自分の番が来るのを待つ。あー早く入れてくれないかなー死神になりたいなー【黒棺(くろひつぎ)】使いたいなー「何…だと…!?」とか言ってみたいなー。
 とそんな感じで大した目的意識も持たずに尸魂界へ入れてもらったわけだが、どうやら俺には重大な使命があるらしいと遅れて気付く。

「俺、美少女…」

 そう、西流魂街(るこんがい)1地区【潤林安(じゅりんあん)】という神地区に送られしばらくお上りさんをしていたら、行く先々で男にナンパされるのだ。初めて経験するケツ穴の危機に全力逃亡し、井戸水で自分の容姿を確認したところで、前の一言。
 いや可愛いなんてものじゃない。(BLEACH)界の女の子は皆美人だが、この顔はその中でも最上級に入るのではないだろうか。そう豪語出来るほど華奢で可憐、思わず庇護欲を掻き立てられる超絶美少女になっていた。

 なるほどTS転生か、出たわね。

「でもこの顔に声どっかで…」

 これほどの外見、まさかモブではあるまいと記憶にあるアニ鰤のキャラボイスを漁ると、いました。


「あのリョナの子だ、雛森(ひなもり) (もも)


 BLEACH読者に説明は不要だろうが、原作における護廷十三隊(ごていじゅうさんたい)五番隊副隊長・雛森桃ちゃんの役割を一言で纏めると大体そんな感じになる。

 原作では何とか最後まで生き残れたみたいだが、作中何度もズバッ! ブスッ! されるなどKBT◯T師匠のエログロフェチを体現する大活躍をしていたキャラでもある。残念ながら俺は刀剣フェチ(物理)ではないしドMでもないので痛いのは普通に嫌なのだが、原作改変しようにも「リョナらない雛森ちゃん」という時点で既にBLEACHに対する冒涜である。ただモテるだけの超絶美少女なんて鰤界ではつけ汁の無いつけ麺に等しい。

 ようは大人しくヨン様に斬られて来いってことですね、ガッデム。


 だが待ってほしい。二度目の生で憑依転生とはいえ折角のBLEACH世界なのだ。斬られて死ぬほど痛い思いをするのが原作リスペクト的に避けられないなら、その対価くらいは欲しい。例えば、そう。

[1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析