ハーメルン
なんかネットでドアパンニキと呼ばれるようになりました
14話:
GAME OVER
(
とうぜんのむくい
)
そう言えば……と、家の近くまでバスが帰ってきた時点であることを思い出した。
「なぁハル。そう言えば俺の携帯俺が起きた日に持ってきてたよな」
「うん」
お前が持ってるって聞いてるんだけどあれってどこやった?
俺がそうつなげるとハルは少し顔色を青くしながら
「もしかして忘れてきたの!?」
と言ってきた。
「いや、忘れたも何もあの日お前が結局持ったまま俺に渡さないで帰ったやん。母さんはお前に渡したって一点張りで病室に持ってこないし」
そう。俺が起きたときはオーイシお兄さんとTom-H@ckさんのコンビO×Tが出している「UNION」をガンガン流していた端末をハルは持っていた。そしてそれを結局持ったままハルは面会時間の限界ですってことで看護婦に連れられて帰っていってたから絶対ハルが場所を知ってるはずなのだ。
「えぇ……」
俺がそう言うとすごく嫌そうな顔をしながらハルはカバンをあさり出す。もしかしてと思うが、お前ずっと俺の携帯持ってたの?
そう思いながらそれを見ていると、
「あ、あった。ごめーん」
そう言いながらハルは俺の携帯を鞄から引っ張り出した。
「ほれ、お前が持ってんじゃんけ」
と文句を言いながら端末を受け取り、電源ボタンを押してみる。
「つかんし……?」
何でつかねぇんだよ。そう思いながら電源ボタンを長押ししてみるとどうやら電源が落ちていたようで無事に画面が点灯、製造会社のロゴが画面の中心に映し出された。
「あ、ごめん。私があの後電源落とした」
中々つかねぇなぁ……と思いながら起動するのを待っているとそれに気づいたハルが声をかけてきた。
「電源落としたのならそれいってくれよ」
俺がそうツッコむと、
「だって、延々と知らない名前の人から電話かかってくるんだもん。怖かったから消すよそりゃ」
「消すよそりゃじゃねーよバカ。バイト先からの電話だったらどうすんだよ!?」
正直、我が妹の将来が心配になることを言ってきたので大慌てて起動した端末を弄りロックを解除、真っ先に着信履歴を確認する……が、そこに表示された名前を見て俺は困惑を隠せなかった。
「修哉……? なんでアイツが俺に電話してくるんだ?」
怪訝さを隠せずにそう呟く。画面に表示されていた着信履歴には完全に縁を絶っているはずの
四宮修哉
(
ゼウス
)
の名前が映し出されていた。それも一件ではなく短いスパンで5件ほど。時間的には俺が目を覚ましてすぐ位だ。
「……修哉って誰?」
俺のその言葉と態度にハルは疑問に思ったらしい。顔を覗き込むように尋ねてきた。
「神田の中身、ゼウスの本名だよ」
そう吐き捨てるように告げ、あのクソなら別に折り返す必要もねーやと俺はそのまま端末をスリープにして何も聞くなと言わんばかりに大欠伸をした。入院中ずっと寝てたせいで寝ても覚めても眠たかったのだ。
その様子を見てあまり深く突っ込むことじゃないと思ったらしく、ハルもそれ以降は何も聞いてこなかった。
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