ハーメルン
仮面ライダーアズール スピンオフ・アプリ
EP.02[冥王(Pluto)]


 眉根を寄せつつも、不快さではなく純粋に不思議がる鷹弘。
 翔は慌てて首を振り「そうじゃなくて」と前置きし、その上で自分の意見を述べた。

「そもそもどうしてサイバー・ラインが生まれたのかって、鷲我会長も僕らも知らないですよね?」
「まァ、な。偶発的にそうなったとしか思ってなかった。調べたところで分かるモンでもねェし」
「なのにどうして、彼は今更その事について言及し始めたんでしょうか」
「難癖つけて久峰の一族の権威とやらを取り戻したいだけなんじゃねェか?」
「けどそれにしては何か確信めいたものを感じたというか、鬼気迫る感じがあったというか……」

 再び唸って翔は腕を組む。その時、翠月もハッと顔を上げた。

「そもそもヤツは……どうやってアプリドライバーやマテリアプレートを手に入れたんだ?」
「確かに、そこは俺も疑問だった。戦闘データを分析していたにしても、明らかに出来が良すぎる」

 バイパリウム・デジブレインの存在やあの泥水も含めて、何もかもが分からない事だらけだった。
 久峰 業には、他に何か秘密があるのかも知れない。そう判断して、ホメオスタシスの一行は調査を始める事にした。

「次にヤツらが動き出す前に、久峰一族の情報とサイバー・ライン内の状況を調査する! 行くぜ、野郎ども!」
『了解!』

 声を揃え、全員が同意の声を発する。
 こうしてホメオスタシスの一行は、崩壊したはずのサイバー・ラインの調査へと再び赴く事になるのであった。

※ ※ ※ ※ ※

『まさか逃げる事になってしまうとはね』
「申し訳ございません」

 その後、サイバー・ラインにて。
 戦場から帰って来た業は、泥水の中から伸びる触手に向かって、他のローブの者たちと共に座して頭を深々と下げていた。

『いやいや良いとも、この程度は想定内だ。何しろヤツら仮面ライダーは数が多い、君に与えたアプリドライバーとプレートだけでは対処し切れないだろう』
「如何致しましょうか」
『そうだねぇ』

 業がゆっくり頭を上げると、触手は何やら考え込んでいるかのように蠢き、そして泥の中に戻る。

『恐らく次にヤツらはここに現れる。その時を狙い、迎え撃とうじゃないか』

 すると、ボコボコと泥水が波打ち始め、中から真っ黒な泥人形が数体這い出て来た。
 それらは触手に捏ねられ、大きく形を変えて行く。

『新たに私の仔を与える。君の身体も強化しよう、期待しているよ』
「ありがとうございます――エフェサレフ様」

 名を呼ばれると、触手は愉快そうに震え、触手同士が絡み合って人の形を取る。
 髪は長く真っ白で、赤い瞳はまるで昆虫の複眼のようになっており、両耳は尖っている。顔立ちそのものは整っているのだが、褐色ではなく人間ではあり得ない異様に黒い肌や特徴のために、不気味さを感じさせた。
 エフェサレフと呼ばれたその男は、何も語らずに唇の端を薄気味悪くニヤリと歪め、両掌から泥水を生み出した。

「来るが良い、仮面ライダーよ……我々が破滅させてやろう」

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