第14話「出発のとき」
「終わったか」
ナレインとの挨拶を終え外に出ると、ミライが待っていた。
「あぁ。どうだ居心地は」
「好きではない。私と対話出来る者達は私を警戒しているし、あのミールも私の存在が理解出来ず困惑している」
「あのミールがお前を理解するのは時間の問題だろう。エスペラントが警戒するのは当然だ。お前の元はフェストゥムだからな、下手に警戒される動きをするなよ。余計居心地を悪くするぞ」
「どういったことが警戒される」
「同化しようとしたり読心能力は使うな」
「わかった」
「おーい。リカルド。リカルド・クラウン」
聞き覚えのある声で呼ばれたリカルド。声の主の他に2人付き添っていた。
「ビリー…なんでお前ここにいる」
「僕達3人ナレイン将軍にスカウトされたんだ」
「ダスティンは、知ってるのか」
「兄さんには言ってないよ。あれ以来兄さんおかしいんだ。僕を徹底して軍人の必要無い場所に配置させようとする。このことは内緒にして」
「…今ダスティンはどうしてる」
「最近連絡が取れないんだ。どこで何をしているのやら」
「そうか…そちらの2人は」
「僕の訓練学校時代からの同期。この前の戦闘にも参加してたよ」
「ジョナサン・ミツヒロ・バートランドです」
「アイシュワリア・フェインです。アイとお呼びください。Mr.リカルド」
「よろしく」
(この女何者だ…)
(私は先に行く)
(わかった。大人しく待っていてくれ)
「人類軍が誇るエースパイロットである貴方とご一緒出来るのは光栄です」
「そんなに大したことはない。運良く生き延びただけだ」
「まだ未完成の『MAKABE因子』を投与し生き残り、数々の戦場でその卓越した洞察力と判断力で味方に勝利をもたらす。素晴らしい実績です」
「今あの薬そう名付けられているのか」
「はい、『MAKABE因子』。Dアイランドの『カズキ・マカベ』が提供してくれた情報を元に完成した薬。Mr.リカルドの頃とは違い今は完成しているので、投与後に同化現象に晒されることはありません」
「そうか。それは良かった」
「これから『カズキ・マカベ』に会いに行けるんです。楽しみだわ」
「アイ。任務で行くんだ」
「わかってるわよミツヒロ」
「3人とも選抜されたのか」
「はい。ナレイン将軍と共にDアイランドに向かいます。クラウン大尉は」
「俺は将軍の不在中の指揮を任されている」
「そうですか、シュリーナガルを頼みます」
「了解だ」
ナレイン率いる選抜部隊はDアイランドへと飛んだ。
「Dアイランドか…」
「ウォルターさん」
「俺に取っては少し複雑だよ」
「俺もです」
エメリーの告げる希望の少女。少女がこの地にもたらす物は果たして…。
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