第16話「巡る機会」
「お願いします。ウォルターさん」
「了解だ。しっかりと誘導してくる」
ナレイン率いる選抜部隊がDアイランドの人々を連れてエリア・シュリーナガル防空圏内に入ったという一報を聞き、ウォルターに部隊を任せて誘導兼護衛をさせたリカルド。
「遂に来るのか。彼女が」
「お前…大人しく待っていろって」
「彼女はかつて私に『身体』の概念を教えた私と対話した存在。実に興味深い」
「Dアイランドの方々がどのような反応をするかわからない。俺が許可するまで部屋で待ってろ」
「条件がある。必ず私と彼女が対話をする刻を用意してくれ」
「努力する」
「ではな」
ちょうど誘導するウォルターの部隊と輸送機団が視界に入った。
「私が留守の間この地を守ってくれてありがとう。リカルド」
「ご無事で帰還されて安心しました」
「変わったことは無かったかね」
「フェストゥムの襲撃も無く。普段通りであったと思います」
「それは良かった」
「どうでしたか。希望の少女は」
「少女の名は『日野美羽』。彼女は早速アショーカを通して『アルタイル』と接触した」
「最初の接触でですか」
「うむ。しかし彼女が幼な過ぎたこともあり対話とまではいかなかった」
「そうでしたか」
「彼女が希望の少女であると確信を得たのが今日の成果と言えよう」
「Dアイランドの方々は」
「今は用意した宿舎で休んでもらっているよ。Dアイランドは素晴らしい場所であった。我々の理想を体現出来る可能性を秘めた場所だ。時間をあげるから君も彼等と交流をしてくるといい。君の感性ならきっと彼等ともすぐに打ち解けられるよ」
「ありがとうございます。将軍」
早速リカルドはミライを連れてDアイランドの人々が休む宿舎へ足を運んだ。
「何方ですか」
「エリアシュリーナガル守備隊のリカルド・クラウン大尉であります。こちらは連れのミライ。是非皆さんとお話しをさせて頂きたく参りました」
「ご用件はなんでしょう」
「自分はナレイン将軍が留守の間この地の指揮を任されており貴方の島に大変興味があったのですが残念ながら行くことが出来ませんでした。なので将軍にお時間を頂き、皆さんとお話しさせて頂きたくこちらにお邪魔しました」
「出来れば明日以降にして頂けませんか」
「そこをなんとか」
「誰だお前さん達」
タンクトップを着た男が割り込んでくる。
「ここの軍人の方で是非私達と交流したいとの申し出です。溝口さんどうしましょう」
「派遣部隊責任者の溝口恭介ってんだよろしくな」
「エリアシュリーナガル守備隊所属リカルド・クラウン大尉であります」
「悪いな、皆長旅でヘトヘトでよ出来たら明日にしてくれねーかな」
「そうですか…」
「お嬢さんも悪いな」
「大丈夫です」
「…リカルドさんはパイロットかい」
「はい。ですが何故わかりましたか」
「指にファフナー乗り特有の跡があるからよ。そうだパイロット連中だけなら少しだけいいぜ」
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