ハーメルン
断絶世界のウィザード
汚染封鎖町ガラドア Ⅴ

「弱い」

 言葉と共にチェーンソーを口の中に突っ込んで刃を回転させた。口を無理矢理引き裂かれたウォーリアーが圧倒的なゴア度で即死攻撃を喰らい、頭を吹っ飛ばしながら消滅した。これによって広場が完全に開放された。レベルアップを証明する祝福の光に包まれながら合流するようにニーズヘッグの所へと向かい、手を持ち上げて、

「いえー!」

「いえーい!」

 ハイタッチを決める。

「ははー」

「ふー」

「ひゃっほーい!」

 ハイタッチ、上から下からヒット、拳をぶつけて腕を組んで笑う。これでダンジョンはクリアした。相手は中々の強敵だったが、此方の連携の方が上手だった。火力とロールさえ足りていればそこまで苦戦する場所でもないかなぁ、という感じは実際にはあるのだが。ここ、多分最初に突入できるインスタンスダンジョンになっていると思う。少なくともエルディアから一番近い位置にあると思っている。そして内容を見る感じ、ちゃんとしたパーティープレイが出来るなら問題にはならない難易度になっている。

 つまりここ自体がパーティーでの攻略チュートリアルみたいなものだろう。場所はフィールド狩りからダンジョン狩りへ。まだまだ、長いチュートリアルの最中なのかもなぁ、とクリアした所で考えた。とりあえず、

「宝箱ちゃん、開けちゃうか?」

「開けちゃいましょ」

 ウォーリアを討伐した所でボスを処理したので、宝箱が出現していた。広場の中央に報酬として出現した宝箱に接近し、それに軽く蹴りを叩き込めば自動的に宝箱が開き、取得ウィンドウが出現する。今回そこに出現したのは3種類の装備品だった。

「えーと、《ガラドア・ブーツ・オブ・ナイト》、《ガラドア・グローブ・オブ・ナイト》、後は《ガラドア・リング・オブ・ウィズダム》か」

「2つがタンク向けの装備ね。正直に言えば火力を上げる装備品の方が欲しかったわ」

「そこはまぁ、周回する時に祈ろう。とりあえず取得して、っと」

 指輪の方だけを貰っておく。確認すれば装備レベルは10だが―――そう、10レベルだったら先ほど上がったばかりだ。おかげで装備できるようになった。というか先ほど入手した入れ墨のアクセサリーも装備できるようになっている。なのでさっそく指輪も入れ墨も装備してしまう。左手の中指に銀色に赤い宝石のついた指輪を装着し、入れ墨を確認すれば左手全体を覆い、そのまま首と胸元まで届く鋭角で幾何学模様の入れ墨が浮かび上がった。これでINTに大幅なブーストが加わった他、武器も店売りの品を装備することで火力を大きく向上させられた。ステータス画面を確認してみればこうなる。

Name:Eins
 BLv.10
 CLv.1
 HP:300/300
 MP:150/150
 STR:28
 VIT:22(19)
 DEX:28
 INT:40(28)
 MND:25(19)
 BSkill:■■■■■□
 CSkill:□□□□□

 まずHPとMPはレベルx20と10伸びているが、その上で装備更新による補正を受けている。つまりさっき拾ったアクセサリーを装備したことでHPが増えているのだ。この場合、キャスター用のアクセサリーである影響か、MPの伸びの方が大きいが。当初は1回6MPで5回も使えば息切れしていたMPも、もはやポーションを使わずとも全然問題のないレベルの段階まで成長してしまった。正直これ、消費MPに対してバランス整っているのだろうか?

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