ハーメルン
断絶世界のウィザード
目指すはW1stの称号 Ⅳ

「最強ビルドが完成されたからこれで俺が最強魔法使いの地位を手にしたのは確定的に明らか。俺という存在によってその他大勢は全て存在としての次元が1ステージ下がってしまった。あぁ、なんて罪深い事だ……だが俺という謙虚な存在はあまりにも強すぎて輝きすぎる……これは抑えきれない最強としてのスター性なのだ……」

「もしかして特に何も考えず喋っていませんか?」

「ああ!」

「そ、そうですか」

 フィエルがちょっと引いている。だけどこんなことで引いていては後で苦労するぞ。とりあえずスキルの組み合わせをこれで仮決定すると、スキルが全て装備され、手元に武器が出現した。自分が杖メインビルドを選択した影響なのか、出現した武器は先端に円をベースとした装飾が付いた長杖だった。片手で握り、軽く振るい、そして回転させてみる。そこに重量というものをほぼ感じない。

「へぇ、片手で簡単に振り回せるんだな」

「開発の方も装備はステータスに影響されるかどうかの議論が多かったみたいですね。重いものやアイテムの所持にはSTRが必要とか。ですがそれを議論した結果、火力ビルドを目指すのにSTRに振らなければ装備できないとか不自由な部分が出てきて、だったらいっそ装備に関係するのはレベルとスキルだけでいいのではないかという結論が出まして」

「それは英断だと思う」

 装備にステータスが要求されると関係のない所でステータスを振る必要が出てくるし、折角手に入れたレア装備が全く別のステータスを必要とした場合、かなりのショックと方向性の転換を求められる。これは自由度という面からみるとかなりのストレスと制限だ。ステータスと装備が直結するタイプはそういう制限が前々から嫌いだった。

「最終決定の前に動作の確認、テストをどうぞ。ここを出たら付け替えや変更はクエスト等を通してコンテンツ、アクションの解放を必要としますので」

「オーケイ、オーケイ。じゃあ最後に動作確認するか」

 ここら辺のサービスというかちゃんと確認してくれる辺り、プレイヤーフレンドリーだとは思う。ここで違和感を感じたり、納得がいかなければ再びスキル構築をやり直せるのだから。ともあれ、今装備している5スロット分のスキルは全てスキルレベルが1に設定されている為、最低限の事しか行えない。

 《火魔法》は最初期に設定、用意されている攻撃魔法の〈ファイアーボルト〉しか使えない。《杖術マスタリー》は杖装備時、自身が行う魔法攻撃のダメージが1%上昇するというものだ。《詠唱術》は自分の行う詠唱行動の時間を5%短縮するものだ。《時魔法》がデフォルトで登録している魔法は〈スロウ〉で、命中した相手に対して鈍足のバッドステータスを付与し、移動速度を通常の4分の1にまで落とすというものだ。

 そして最後に《二刀流》のスキルは左右同時に武器を装備する事が可能となり、装備2つ分の補正を受ける事が出来る事となる。ただ装備された2つ目の装備からは本来の5分の1の効果しか受ける事が出来ない。なお装備武器で攻撃する場合は攻撃に使った武器のステータスで勝負する事になるらしい。

 つまり杖を2本使って攻撃する場合は合算ステータスで勝負し、片方のみを使用すればその杖のみで勝負できる。2本と1本の状態を使い分けられる様になっているようだ。単純に火力を求めるなら二刀モードの方が強そうだ。

「あ、此方2本目の杖です。流石に2本目がないと確かめられないでしょうし」

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