第17話 ブルックと出会いの追憶
樹海でシアを仲間に加えた俺達は、ハジメの魔力駆動四輪で近くの街に向かっていた。
次の迷宮である【ライセン大峡谷】に向かう前の準備の為だ。
街が見えてきた所で俺達は車を降り、徒歩で街の入り口まで向かう。
その道すがら、
「あ、そう言えばハジメ。あと、優花と白崎さんも。ステータスの隠蔽はしてあるのか?」
「そりゃ勿論!」
「こんなステータス見せたら大騒ぎになっちゃうよ」
俺の言葉に優花と白崎さんは当然の如くそう言うが、
「あ……………」
ハジメはどうやら忘れていたらしい。
今思い出したという表情をする。
「ちゃんと隠蔽しとけよ?」
「お、おう………」
ハジメは気拙そうに返事をした。
「あと、気になったんだけどリュウダモン達は大丈夫かな?」
葵が気になったのかそう聞いてくる。
「まあ、その辺は俺達がテイマーって事と、ドルモン達に危険が無い事をちゃんと話して分かってもらうしか無いな」
「ん…………ちゃんとドルモンとリュウダモンが言葉で話せば分かってくれると思う。この世界に言葉を話す魔物は居ないから」
ユエの言葉に、俺達は頷く。
「まあ、後は出たとこ勝負だろ」
そう言って街の門の前まで辿り着くと、やはり門番に声を掛けられた。
「止まってくれ。ステータスプレートを。あと、町に来た目的は?」
そう言いながらステータスプレートを差し出す俺達。
ユエとシアはステータスプレートを持っていないので出せない。
「食料の補給がメインだ。旅の途中でな」
「ふむ…………錬成師に治癒師に投術師に…………デジモンテイマー? 何だこの天職は?」
「こいつらがデジモンって種族なんです」
俺は後ろにいるドルモンとリュウダモンを紹介する。
門番は訝しむ様に2匹を眺める。
「初めて聞く種族だが…………魔物では無いのか?」
「ええ、魔物とは違います。ほら2人共、ご挨拶」
俺がそう言うと、
「俺、ドルモン!」
「某はリュウダモン! お見知りおきを!」
「うおっ!? しゃ、喋った!?」
驚く門番に俺は畳み掛ける。
「ほら、こうやって意思疎通も出来ますし、何も危険はありません」
「う、うむ………少なくとも君達には従っている様だし、ビーストテイマーの使役している動物と考えればいいのか…………? しかし、もしその2匹が問題を起こせば責任は主である君達に掛かって来る。気を付けるように」
「「はい」」
俺と葵は返事を返す。
「それで、そっちの2人は………」
ステータスプレートを提示してないユエとシアに視線が向く。
「あ~、実はこっちの金髪の方は前に魔物に襲われた時に無くしちまってな…………それでこっちの兎人族は………わかるだろ?」
そう言うハジメ。
因みにシアの首にはハジメが即興で作った首輪が付けられている。
「なるほど………綺麗所を手に入れたな。まぁいい、通っていいぞ。冒険者ギルドは中央の道を真っすぐだ。ようこそ『ブルック』へ」
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