ようこそヨコハマへ 後編
転送装置を抜け、私たちはあの部屋と全く同じ場所に転送されて来ていた
「ネリー、隔壁は開けるか?」
「…無理ですね、病院のネットワークとは完全に別物ですし、ハッキング出来ないよう部屋の全面を電波遮断されています。…一応方法が無くもありませんが、もしやるなら確実にバレて殺し合いになります」
私の問いにネリーは私の方に振り返らずそう答える。それに私は仕方ないと首を横に振ると、先ほどと同じように両腕を前に突き出し
「なら隔壁を破壊して施設内に侵入、俺とジェニーが前衛、バルディはネリーの援護だ。こっちは構わず自分とネリーの事だけ考えて動け」
と指示を出し、、それにジェニーが私の隣に立ち
「お任せください」
と、高周波ソードの電源を入れながらジェニーがそう言い、バルディも腰のホルスターから拳銃を抜き取り
「ま、任せなさい。これでも3級、戦闘用の自動人形相手に大立ち回りしたこともあるんだから」
と、少ししおらし気ながらもそう言った彼女の雰囲気と立ち振る舞いが少なくとも腑抜けではないことを理解し、私は特に追及もせずにこう言った
「開けるぞ、総員戦闘準備」
その言葉にバルディは改めて拳銃のグリップをしっかりと握りなおし、安全装置が解除されているかを横目で確認し、ネリーは袖をまくり、少しだけ片足を開いて直ぐにでも走り出せるように準備し、ジェニーは盾を構え、左足を半歩後ろに提げて腰を低く身構え、高周波ソードを自身の腰から後ろに提げた左足で隠すように構える
「人間工廠第2種無差別分解体制へ移行。対象指定」
脳内でそう宣言すると、両腕の模様が赤ではなく、とても美しいコバルトブルーに変わり、その光の粒子は一瞬にして腕から溢れ出すと瞬時に隔壁全体にへばりつき、そして
「実行」
宣言と同時に隔壁がまるで腐り落ちるかのようにどろどろのぐじゅぐじゅに溶解しながら地面へと落下し、それと同時にジェニーがあけた穴から施設内に侵入し、続いて私たちも中に入る
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