九話 あなたはだあれ? 〜who done it.
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事件が起きたのは数日後だった。
身体も歩くだけではなく少しはマシになってきて、掃除などを手伝っている。
と言うか妖精達が多少掃除はしているようだが、流石に力不足だし。
流石に重過ぎるものは身体が痛むが、軽いものは悠々と持ち上げている。
「にゃー」
「流石にお前はこれ持てないだろう……」
黒猫が鳴くが流石に何か持てるようには見えない……
応援だけ有難く受け取るとしよう。
「……大体これでこっちも完了か」
ふと一息つこうとしたところで。
パリンッと背後から音がした。
「え!?」
慌てて振り向くと壺が割れていた。
「え……なんで!?」
『あっ……』
「俺がやったんじゃないよな……?けどどうするかこれ……この子が怪我しないように早いところ掃除した方がいいかな」
『ごめんねー、お兄さん』
「何事ですか?」
「さっ……さとりさん!?」
音がしたからかさとりさんが部屋へと入ってくる。
それと同時に事態を理解する。
「……手間を増やすくらいなら、始めからやらないで欲しいのですが」
「一応言っておきますが……俺じゃないです……掃除してたからでは無いと信じたいですが……」
何故弁明しているのかは分からないが……
これ以上マイナスなイメージを持たれたく無いのかもしれない。
ただ実際にやってないしと……
「嘘はついていなさそうですが……」
「ただちゃんと見てれば良かったのはあるかもしれないのでそこはすみません」
「お燐、どうでしたか?」
「ん?あたいかい?」
「え?」
声がして慌てて振り向く、さっきの黒猫しかいない……あれ?
「今何処から声が……」
「兄さん目の前にいるだろうっと」
「喋った!?」
黒猫が喋ってる!?それにびっくりして飛び跳ねる。
「あっはは、いい反応だねえ」
喜んだように猫がご機嫌なままクルリと一回転する、そうすると人型になった。
「人型にもなれるんですね……」
「おや、むしろこっちの方が驚かれると思ったのに」
「彼は十分驚かれていますよ」
「そりゃよかった」
もしかして地霊殿のペット達ってみんなこんな感じ?
「お燐が特別なだけですよ」
「そりゃ良かった……みんなこうでしたら腰が抜けそうで……」
「兄さんも大変だねい」
「……まあ、問題ありません」
「あたいは火焔猫燐さ、よろしくな兄さん。」
「よろしくお願いします……えっと化け猫かな……?」
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