十七話 森の中で見たもの〜the forest.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とりあえず……現場というわけではないが、ルーミアと戦っていた場所へと向かう。
当然だが地霊殿に先に寄った事もあり、双方そこにいることは無かった。
「流石に居ないよな……。まあ近くを探すのは手だが……」
近くにあるのは森だが……
魔女が森にいるって考えるのは安直だろうか?
「そもそも童話の知識を幻想郷に結び付けていいのだろうか?」
有名な童話では魔女は森に住んでいて主人公達に接触してくることが多いなと思う。
ただそれは思うだけでもあるし……
「ただ……確かめる価値はあるか」
目印は立てたところでパンクズとかは鳥が食べるのがオチだ。
だから直進を繰り返す。どうしても見つかりそうになければUターンしようと。
そんな無謀に無謀を重ねたような意思で森へと入って行く。
「森が違う……?」
いや森に違いなんてないはずなのだが……
ただ空気が違うと言うか、違和感がある。
「こいしさんが見ているわけでもあるまいし」
疑問に思いながらも進んでいく、そうして当然の如く……
「……おっかしいなあ」
一度状況を再確認しようと森から出ようとするも、出る事が出来ない。
通常の森でさえ目印が無ければ帰れないのに……帰れるはずがなかった。
「適当に行ったらどうなるか……ただ迷うだけだよな」
どっか目印にって思ったけど、同じような木ばっかだし……傷を付けても見付けられる自信がない。
「誰かいればいいんだけどな……」
勿論人もいなければ、動物すらもいない。
迂闊に入るべきでは無かったんだなと……
一瞬だけ後悔したが足を止めても意味がないので再び進み始めた。
「お腹減った……」
森の中で食糧は何かないかと探すが、見つからない。
と言うよりも……何が食えるか分からない。
「死んでもいいかも知れないが……辛いの嫌だしなあ」
死ぬなら一瞬でって思うのは共通認識だと思う。
苦しんで死ぬのは勘弁してくれ……拷問とかされた事ないけど耐えられなそうだな俺。
「キノコとかどれがセーフとか分からないよな」
木の実ならまだ賭ける可能性はあるが……キノコはヤバイって知ってる。
なんかベニテングタケみたいなのをはじめ毒キノコ多いんだろ?
「進まなきゃな……」
どっちに進めばいいか分からないが……食べるものがない以上は進むしかない。
見たことあるような物生ってないかな……
無謀に思いながら更に足を進めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「魚ぁ……魚ぁ」
あれから進んでやっと池らしい場所に出た。
木以外の物に感動を覚えるとともに、それ以上に魚がいたことに感動した。
「生き物がいるんだなこの森にも……」
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク