ハーメルン
クールビューティーな紗夜さんを返して(涙)
会議って何だっけ?

 今日はCiRCLE合同対策会議。俺は……

「何で会場準備しねぇといけねぇんだ……」

 他の皆がわいわい集まる中、机の設置、資料の配布などを一人で行っていた……マジかよ。
 というかあれ?男俺だけじゃん……うわぁ……超帰りたい。というか俺の生活極端なんだよ。周りに男しかいないか、女しかいないか、誰もいないか。もっとこう……いい感じのバランスで混ざるときはないのか?ないな。ないから悲しいな。

「これより第1回打ち合わせを始めたいと思います」

 牛込りみの発言によって会議はスタートする。司会は香澄以下Poppin' Partyの皆様。議事録(っぽいもの)担当、俺。見守り担当、まりなさん。
 そのため、俺はまりなさんの隣でパソコンと睨めっこしている。
 そしてPoppin' Party以外の皆さんは純粋な会議参加者。……大丈夫かこれ。お前ら頼むから俺の身を考えて発言しろよ?

「趣旨の説明」

 有咲によって呼ばれた香澄が趣旨の説明を始める。俺も、趣旨と打つが、

「はいっ!みんなでキラキラドキドキな楽しいライブが出来ればいいなって思います!」

 空気が一瞬にして死んだ。俺も思わず手が止まった。

「……悪い。もう一回言ってくれないか?このライブの趣旨」
「だから、みんなでキラキラドキドキな楽しいライブが出来ればいいなって感じです」

 ダメだ。どうやら聞き間違いじゃないらしい。

「具体的には?」

 さすが紗夜さん!やっぱりここはあなた様の出番ですよね!
 ……はっ!気付いてしまった。これもしや、紗夜さんの周りにポンコツを並べれば、紗夜さんのポンコツが打ち消され、常識のあり、さらにクールな一面しかなくなるのでは?そ、そうか!ポンコツというデメリットを、ポンコツを周りにおいて、ポンコツっぷりを見せないで居ればクールビューティーな一面が残るのでは?マイナスをマイナスの中に隠せば目立たずプラスが残るってわけか!こ、これは新理論として提唱、実証しなければ……!

「あー冬木くん」
「…………!」
「おーい」
「何ですかまりなさん。俺は今忙しいんですよ。素晴らしい新理論を見つけたのでゆくゆくは論文として纏め、クールビューティー集会にて発表しようと思います。そのために今、その理論に関し、使えそうな資料や実験データをまとめて……」
「あーうん。君、議事録担当だからその……ものすごいスピードで、そんな長文を打たないで?ね?その論文?も書くのは家に帰ってからに……」
「……ん?よく見てくださいよまりなさん。しっかりメモも打っています」
「あれ?……ま、まさか、パソコン二台同時に操ってたの……?」
「はぁ。常識ですよ?クールビューティーの為なら人は限界を超えられるんです。義務教育で習ってませんか?」
「「「…………」」」

 するとまりなさんと多くの会議参加者が頭を抱えていた。何故だろう。よく分かんないや。

「で?香澄。具体的って言われてキラキラとか星の鼓動とか……何も決まってないだろ」
「書記がしっかり仕事してた……じゃなかった、具体的なことは次回までに提出しますので……」

 そう言うのは山吹沙綾。まぁ、次回までに……え?次回も俺参加するのか?

「じゃあ、順番を。先に順番を決めましょう」

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