第一局 弟弟子
あれから数年..........
それぞれが成長した。
俺は21歳になり棋士としてもA級棋士にまで昇り詰めた。タイトルは....相変わらず玉座一つ。いや一つだけでも奪取して連続4期続ければ凄いんだけどね。もっと頑張りたいよね。銀子も女王、女流玉座の二冠を獲得し女性最強と謳われている。
しかし1番変わったのは我弟弟子。九頭竜八一が竜王を奪取しました。しかも俺の最年少タイトル奪取記録を塗り替えて。いや凄くね?
一応説明するが竜王とは将棋界における7つのタイトルのうち名人と共に最高位にいちするタイトルだ。
しかしだ.....
『竜王スランプ!11連敗!!』
とある雑誌の見出し。八一は竜王を奪取してからというもの公式戦11連敗という大スランプに陥っていたのだ。竜王という最高位のタイトルを取ったことへの重圧や責任感が重すぎるのだろう。辛いだろう...
「はぁ。..........少し行ってやるか」
まだまだ16歳の子供とはいえプロ棋士として、竜王として溜め込んでしまうものがあるのだろう。兄貴としてしっかり聞いてやらなければならない。あと、竜王奪取のお祝いしてなかったし行くか。という考えのもと手土産を買って八一の住むマンションに向かう。
................悠斗移動中................
ピーンポーン♪俺はバイクで移動し、八一の部屋のドアのインターホンを押した。すぐに慌てた声で返事が帰ってきた。
「は、はい!ってええ⁉︎兄弟子!」
扉の向こうから八一の驚いた声が聞こえてきた。
「そうだぞ八一。俺だ。悪いがドア開けてくれないか?手土産持ってきたし」
「えっ、え〜っとその...すみません!少し待ってください!!」
何やら慌てている様だったこっちとしては手塞がってるし開けて欲しいのだが...
「ん〜?どうした?」
「えっと......その〜」
「まぁ良いわ。合鍵使うわ」
もうしゃーないので自分の持っている合鍵を使う。
「え?」ガチャ
「やっほ〜。八一、元気し.......て...........たか?」ガチャ
八一がロリの上に覆いかぶさっている。ナニコレ、ドウイウジョウキョウ?とりあえず警察に連絡しようかな?え〜っとスマホは...
「掛けないで!兄弟子、掛けないでください!僕はそんな事やってませんから!!!あと、そんな社会的ゴミを見る目でやるのやめてくださいよ!!!」
すぐに八一が言った。
「いやいやいや、どう見てもヤバい現場でしょ?お前、まさか犯罪を犯すとは...兄弟子として悲しいよ」
「犯してませんから!!話しを聞いてください!!」
「...............」
「信じて!お願い!!兄弟子!!」
「..........わかった。とりあえず弁明の余地は与えてやる。部屋に入れろ」
「はい!」
そして俺は八一の部屋に入り説明を求めた。八一と共にいた女子小学生がいたのだ。やっぱり通報した方が良手なんじゃないかと思う。
「それで八一。この子は?」
「えっと雛鶴あいちゃんです。竜王戦でお世話になった雛鶴旅館の娘さんだそうです」
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