ハーメルン
兄弟子のおしごと!
第七局 試験前日

「雛鶴........雛鶴あいちゃんのご両親のお方ですか?」

「「はい」」

oh.....あいちゃん見たく明るくて活発な方かと思いきや落ち着いて何という背筋が凍る?的な?まぁ少なくとも旅館の女将感はある。

「そうですか......雛鶴あいちゃんなら恐らく、九頭竜八一と将棋会館におります。案内いたしますのでどうぞお入りください」

「あ、ありがとうございます」

「ありがとうございます。ところで、貴方は?」「ちょっ!お前!」

何やら夫さんの方が慌てているがそんな事ない気がするぞ?だって俺って将棋界隈とある界隈(アニメとか鉄道とかミリタリー)の中でしか有名じゃ無いし逆に将棋を知らない方は知らない人の方が多いんじゃ無いか?一応タイトルホルダーだけどね⁉︎

「いえいえ、そんな気にすることありません。申し遅れました。私、九頭竜八一の兄弟子の一ノ瀬悠斗と申します。八一と同じくプロ棋士をしております。以後、お見知り置きを」

「そうでしたか、これは失礼いたしました。早速案内して頂いても?」

「もちろん。どうぞこちらへ」

なんというかやっぱりこの人苦手。なんか怖い。よく殺意がどーたらこーたらとか言われるけど殺意ってこういうのなの?え?ひょっとして俺、こんな恐ろしいもの放ってたの?そりゃ名人にもドン引きされるし後輩も声かけなくなるわ。気をつけよ。

兎にも角にも2人を連れて研修会が行われている部屋に入る。

「八一!」

「あ!兄弟子⁉︎と.....」

「あ、お母さん⁉︎お父さん⁉︎」

「へ?」



○●○

「ご注文はうs......ウウン!ご注文は以上でよろしいでしょうか?」

「はい。よろしくお願いします」

将棋会館一階の『トゥエルブ』にやってきた。今のは俺がごちうさのキーホルダーを持ってきて以来仲良くなり、俺単体の時はもう分かるよね?ということだ。

ってそれどころじゃなかった。テーブルを挟んで向かいにはあいちゃんのご両親。一方こちらには俺、あいちゃん、そして八一というふうにあいちゃんを真ん中にして座っている。まず口を開いたのはあいちゃんのお父さんだった。

「あいの父親の雛鶴隆と申します。九頭竜先生も一ノ瀬先生も竜王戦では大変お世話になりました」

「い、いえ。こちらこそ....」

八一はあまり慣れていないのだ。年上に敬語使われるってなんか複雑だよね。俺の場合、何故か若手、先輩問わず敬語になる。あれ?なんか俺ってやらかしたっけ?ひょっとしてそれも殺気のせい⁉︎目から汗が止まらない。そうだ、俺も返しはしておかなければ。

「いえいえ、そんなこと。こちらこそ竜王戦では兄弟共にお世話になりました」

「私は板場に立っており、ご挨拶出来ず失礼いたしました。九頭竜先生は史上最年少での竜王襲位おめでとうございます。また、この度は手前共の娘が大変ご迷惑おかけいたしました。お詫びの言葉もございません。一ノ瀬先生や清滝先生にもご迷惑お掛けしたようで本当に申し訳ありません」

と、深々頭を下げられてしまった。いや、ゆーて俺は少しの事務仕事しかしてないから。1番大変だったの八一だから。謝られると逆に罪悪感湧くから!本当にこちらこそすみません。

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